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サステイナブル認証,  環境問題

グリーンウォッシュとは?
エコで賢い消費者になるために
知っておくべきこと

近年、「エコ」といった環境に優しいことを示す文言が商品についているのをよく目にしますよね。しかし、「エコ」と謳っている商品、本当に環境に優しいのでしょうか。実は30年以上前から、「エコ」と表示しながら、本当の意味で「エコ」ではない、グリーンウォッシュが問題視されてきました。

グリーンウォッシュとは、実際は環境に優しくないにも関わらず、あたかも環境保護をしているかのように見せかけている広告や企業活動のことを指します。例えば、本当は環境に配慮した商品ではないのに、マーケティング目的で「エコ」や「環境に優しい」といった言葉を商品の広告やラベルに入れて消費者に誤解を与えることは、グリーンウォッシュにあたります。では、消費者である私たちは、グリーンウォッシュの商品を避け、本当に環境に配慮している商品を選択する賢いエコな消費者になるためには、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

賢い消費者になるために気を付けること

持続可能性などを専門に企業活動の広告等のコンサルティングを行っている、国連グローバルコンパクトにも加盟しているFuterraという企業は、2015年に公開した持続可能的な販売に関するレポートにおいて、グリーンウォッシュを回避するために気を付けるべき10のポイントを示しています。

<回避するべき商品のポイント>

1.「環境にやさしい」など、明確な意味のない単語や用語が使われている

2. 効率のよい電球を製造している工場からの流出物が河川を汚染しているなど、環境配慮型商品を製造した会社が実は裏で環境を汚染している

3. 煙突から花が咲いている画像など、環境にやさしい印象をもたせるような画像を不当に使用している

4. 環境に悪い活動を行っているにも関わらず、小規模な環境活動を大々的に主張している

5. 同業者が環境に非常に悪い活動をしている中、他と比較し自社が多少なり環境に配慮していると主張している

6.「環境にやさしいタバコ」など、危険な商品をエコ化させて安全な商品であるかのように見せかけている

7. 専門家しか理解できない専門用語と情報を広告に使用している

8. 第三者機関の認証に見せながら、実は自社で作り出した認証ラベルを使っている

9. それがエコである証拠がない

10. 完全に偽造された主張またはデータである

信頼できる認証ラベルを確認しよう

グリーンウォッシュの商品を避けるためのポイントは分かりましたが、買い物の際に商品のひとつひとつについて上記の10ものポイントを確認するのは大変かつ難しい作業ですよね。実際に、エコな商品の購買行動に関する研究によると、日本において商品の省エネ性能や企業の社会貢献活動から環境にやさしい企業を判断して商品を購入している人のうち、自身が選択している商品が本当に環境に優しいのか自信をもっているのは少数派であることが明らかとなっています。そこで、ぜひ注目していただきたいのが、認証ラベルです。認証制度にも様々な種類がありますが、信頼できる認証制度の厳正な審査を受けて環境基準を満たしていることが認められた認められた商品には、認証ラベルが表示されており、これが表示されていれば正当なエコ商品であることが一目で簡単に分かります。以下に信頼のできる認証制度として、国際的に使用されている代表的な認証制度を3つご紹介します。

①海のエコラベル

海のエコラベルとは、MSC(海洋管理協議会)の厳正な認証規格を満たした持続可能な水産物に対して与えられる認証です。このラベルは、水産物の漁獲における認証と、その水産物の製造から販売までの過程に対する認証の両方を得て初めて与えられます。漁業における認証は、資源の持続可能性、漁業が生態系に与える影響、そして漁業の管理システムという3つの原則に基づいて独立機関により審査が行われています。

② RSPO認証

RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)の認証は、持続可能なパーム油の生産や利用に対して与えられる認証です。この認証制度は、農園と搾油工場といった生産段階における認証と、認証パーム油の製造から流通までのサプライチェーンの全段階における認証の2つから構成されており、認定を受けた第三者機関が認証を行っています。(なお、複雑なサプライチェーンに対応するべく、認証は①生産者まで特定できるパーム油、②生産農園を1つに特定できないものの認証された農園から生産されたものであることが認められたパーム油、③生産過程で認証油と非認証油が混合されたパーム油、の3つの種類に分類されています。また、上記の3つに加え、実際に販売されるのが非認証油の場合でも、認証をクレジットとして販売する仕組みもあります。)

③レインフォレスト・アライアンス認証

レインフォレスト・アライアンスの認証マークは、農業・林業・観光業において、環境・社会・経済の持続可能性の基準を満たした事業者に与えられます。この認証はカエルのロゴが特徴的ですが、ローソンのMACHI cafeのコーヒー豆がレインフォレスト・アライアンス認証を取得していることから、日本でも比較的認知度の高い認証マークなのではないでしょうか。観光業であれば、周辺の生態系を保護していること、自然資源を賢く利用していること、周辺コミュニティに社会的・文化的な恩恵を提供していること、などが認められた場合に認証マークを取得することができます。レインフォレスト・アライアンスの認証を取得したラテンアメリカとカリブ海地域におけるホテルや旅行事業者はこちらのサイトから確認することができるので、これらの地域に旅行に行く際はぜひ一度確認してみてくださいね。

④その他の認証制度情報

上記の3つの国際的なものですが、国や地域で独自に運用している制度もあります。例えば、日本でいうと「生産」から「廃棄」に至るまでの環境負荷が少ない商品に与えられる「エコマーク」が一般的によく見られる認証ラベルのひとつですね。

一方でEUでは代表的な認証ラベルとして、「EUエコラベル」や「EU有機認証」などがあります。EUエコラベルは、EUにおいてシャンプー、衣類、電化製品、ホテルをはじめ30以上のカテゴリに属する約4万もの製品やサービスに対して付与されている、消費者向けの認証ラベルです。消費者組織や業界を含む専門家らが、原材料から製造、包装、輸送、そして使用に至る製品のライフサイクル全体を審査しています。EUにおける消費者の65%がこの認証を信頼しているとのことで、信頼度の高い認証制度と言えるでしょう。EU有機認証は、EUで生産される有機食品に対して与えられる認証ラベルです。これは、食品の95%以上が有機成分でできており、残りの5%についても厳しい条件を満たしているもののみに与えられます。

グリーンウォッシュは商品だけでなくツアーやホテルのようなサービスでも起こり得ます。旅行のツアーやホテルは認証を取得しているものを利用したい、という方はGSTC(世界持続可能観光協議会)の基準を満たす認証ラベルを取得しているツアーやホテルを探すことをおすすめします。こちらのウェブサイトには、GSTC公認の認証機関が記載されているので、これらの認証機関により認証されたツアーやホテルであるかどうかを確認するよ良いでしょう。

まとめ

グリーンウォッシュを回避するには、消費者ひとりひとりが商品が製造される裏側にまで意識を向けることが大切です。そのような消費者の行動を促し、消費者が正しい商品を購入する上での判断を助けてくれる便利なツールが認証ラベルです。今回ご紹介した認証ラベルは、世界に数多く存在する認証ラベルのほんの一部。認証ラベルには国際的なものもあれば国や地域の独自のものもあるので、海外に旅行に行った際もはぜひ商品のパッケージに表示されている認証ラベルを確認してみてください。旅行先でご自身が信頼している国際的な認証制度のラベルが表示されている商品を購入するのはもちろん、その地域で信頼されている認証ラベルを取得している商品を選んでみるのもよいかもしれません。認証ラベルを活用して、日常生活でも旅行中でも、「エコ」という表面的な言葉に騙されない賢い消費者になりましょう。


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【綾夏】
気候変動政策を専門とするコンサルタント。ボルネオ島にてオランウータン調査の経験を持つ。より多くの人が環境問題に関心を持つきっかけとなるよう、エコツーリズムの魅力を発信している。