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フェアトレードとは?
フェアトレード商品やエコツアーを選んで
持続可能な未来へ

フェアトレードの商品を世界中のお店で目にすることが多くなっています。コーヒーやバナナなどの一般的なフェアトレード製品は、世界中の食料品店で売られています。

よくあるフェアトレード製品としては、バナナ、コーヒー、チョコレート、蜂蜜、お茶、オレンジ、綿、花など。また、スパイスやワインも、フェアトレードで取り扱われているものがあります。食品が多いイメージですが、手工芸品、手作りのジュエリーや、洋服なども、フェアトレード製品として持続可能性を重視したお店で見つけることができます。

フェアトレードとは?

ところで、フェアトレードとは何でしょうか。フェアトレードの製品ラベルを見たことがありますか?食料品店、カフェ、専門の手工芸品店等でよく目にしますが、フェアトレードラベルが実際に何を意味するのか意外と知らない人が多いかもしれません。

フェアトレードは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易の仕組み」です。

皆さんが物を購入する際、やっぱり同じ品質であれば安い方がいい!と思ってより安い物を購入しますよね。こうして私たち消費者がより求める物=需要となり、売り手はより儲けるためできるだけ安く販売しようと価格競争が起こります。その際、どのように安くするかというと、生産・流通コストを下げるということが考えられ、生産コストを下げるという場合、生産者に正当な対価が支払われないということが起こります。また、生産性を上げるために必要以上の農薬が使用され環境が破壊されたり、生産に携わる労働者が健康を害する程過酷な状況で働かされるといった事態が起こっています。

生産者が美味しくて品質の良いものを持続可能な形で作り続けていくためには、生産者の労働環境や生活水準が保証され、また自然環境にもやさしい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていくことが重要です。

世界公正取引機構(WFTO)は、フェアトレードを、「対話、透明性、および尊重に基づいた、国際貿易におけるより大きな公平性を求めるパートナーシップ取引」と定義しています。フェアトレード製品は公正な取引価格を請求するもの。フェアトレード価格は生産者に安定した生活賃金を支払い、作業環境の安全と清潔を確保します。生産者と労働者にとってより良い取引条件を提供し、その権利を確保することにより、持続可能な開発に貢献しています。


そして、フェアトレードの商品を多くの人に購入してもらえるよう、作られたのが国際フェアトレード認証ラベル。フェアトレードの明確な基準を設定し、それを守った製品にラベルを貼付して分かりやすく伝え、フェアトレードを広めていこうとしています。このラベルは、その原料が生産されてから、輸出入、加工、製造工程を経て「フェアトレード認証製品」として完成品となるまでの各工程で、非営利団体フェアトレード・インターナショナルが定めた国際フェアトレード基準が守られている事を証明しています。

フェアトレードの始まり

フェアトレード運動は、1940年代のアメリカで消費者のグループが集まり、プエルトリコから裁縫用手工芸品を購入したのが始まりです。最終的に南アメリカの貧しいコミュニティとの取引にまで広がったこの運動は、従来の貿易構造における貿易の不正と権力の不均衡に光を当てるためのものでした。

1958年、アメリカで最初のフェアトレードショップがオープンし、南米の貧しいコミュニティから調達された製品を販売。フェアトレード運動は、1960年代にヨーロッパでほぼ同時に発生し、イギリスでは中国からの難民により手工芸品が販売され、オランダではサトウキビから取れた砂糖が販売されました。そして、フェアトレード財団が1992年に設立されました。

なぜフェアトレードが重要なのか

小規模生産者、特に発展途上国の小規模生産者は貿易の仕組みの中で搾取されていることが多いと言われています。フェアトレードは、小規模生産者に権限を与え、公正で持続可能なビジネスをサポートすることにより、この不当なを減らすために取り組んでいます。例えば、アフリカのカカオ農家。児童労働、不当な労働時間、1日あたり23セントと言われる女性労働者の賃金、といった環境の中で生産が行われています。カカオ農場労働者は、窮屈な生活環境、適切な医療の欠如、および高いノルマへの圧力など、劣悪な環境の中で搾取されていると言われています。公正な貿易は、生活賃金の支払いにより労働者の生活の質を確保するため、そして清潔で安全な労働条件、農民・労働者・漁師のエンパワーメント、さらには環境保護のためにも重要です。私たちがフェアトレード製品を購入するという行動は、責任あるビジネスを行っている企業を消費者としてサポートすることを示し、持続可能なビジネスを実践していない企業に対して、消費者は労働者に対して責任を果たしている企業から製品を購入するんだという意思表示をすることにも繋がります。

フェアトレード・インターナショナルによると、現在170万人以上の農民や労働者がフェアトレードの持続可能な生産活動に関与しているということです。


フェアトレードと旅行

今人気の、環境に配慮したエコツアーもサービスのフェアトレードと言えます。サービス業である観光、中でもエコツーリズムは観光の一種であり、エコツアーの経済的利益やその他の利益は地域社会に還元されます。フェアトレードは小規模なコミュニティ、生産者に権限を与え、正当な利益を与える仕組みであるため、地域と小規模な生産者に最大の利益をもたらすエコツーリズムはサービスとしてのフェアトレードと言えます。

また、フェアトレードを実践している生産現場では、旅行者が生産地を見学したり、農家の人々に会ったり、手工芸品の製造工程を見学したりすることができるところもあります。持続可能なビジネスの必要性についての認知度を高めるため、こういったフェアトレードの生産現場をエコツアーを通じて伝えることは、フェアトレードを広め、成功させるための重要な取組みです。

フェアトレードをしている農場では、現地訪問ツアーで訪れることができたり、その農村地域の村に滞在できるところが多くあります。私たちが普段消費している食べ物などを生産する労働者と実際に話すことができ、地域社会を直接支援することもできる持続可能な旅を是非体験してみてください!

フェアトレードは現在、世界の73の国と地域で行われており、中南米、インド、アジアまたはアフリカの一部の地域に旅行に行く際は、こうした農場ツアーを探してみるのも良いでしょう。

フェアトレードの現場を訪れるエコツアーというのはどんなツアーかというと、例えば南アフリカのフェアトレードエクスプローラーツアーでは、ケープタウンから、フェアトレードファームやブドウ園、野生生物保護区を訪れ、持続可能なサイクリングツアーに参加し、エコロッジまたはエコホテルに宿泊します。フェアトレードのブドウ園では、旅行者はフェアトレードで生産されたワインとその製造方法について学ぶことができます。

フェアトレードというと、貿易による不当な取引の被害が大きい発展途上国の生産者のことを主に対象と考えますが、もちろん、日本でも産地で作物を購入したりと生産者に直接利益が落ちるようなフェアトレードができるところが多いので、是非生産現場を訪れて、生産者から直接購入してみましょう。

フェアトレードは、農民・生産者・漁師といった人々が公正で人道的な方法で扱われることを保証する仕組み。フェアトレードラベルが付いた商品を購入すると、一番安い商品より少し高くなる場合がありますが、その分しっかりと生産者に還元されている料金であるということ。そうしたフェアトレード商品の購入、エコツアーなどを通じて持続可能なビジネスをサポートすることで、ビジネス全体の改善に貢献することができます。どの商品やサービスを購入するか決めることは私たち一人一人が日々行っている小さな選択であり、この日々の小さな積み重ねが、生産労働者の公正な待遇改善に大きく貢献することになるのです。フェアトレードで生産された商品を買う人が増え、十分な消費者の需要があれば、最終的にフェアトレードで貿易することがスタンダードになる日が来ることでしょう。

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