環境教育とは? 自然学習ができるエコツーリズムのすすめ
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環境教育とは?
自然学習ができるエコツーリズムのすすめ

お子さんのいるご家庭では、将来を考えて小さい頃から環境教育をした方がいいと聞いた、という人もいるのではないでしょうか。

環境や自然についての教育、確かに最近環境問題についてよくニュースになっているし、将来子供が大きくなった時心配、なんとなく「環境教育」をした方が良さそう、でもなんだかよくわからないし、実際何を学ぶの?という人もいると思います。

2003年に制定された「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」では、環境教育とは「環境の保全についての理解を深めるために行われる環境の保全に関する教育及び学習をいう」、ブリタニカ国際大百科事典小項目事典では「人間と地球環境のかかわりについて理解を深め、環境の回復、創造に向けた知識や関心を高める教育」とあります。

簡潔にまとめると、環境教育は「人間と地球環境との関わりや環境保全の理解を深める学習」ということですね。

環境教育に自然を訪れるエコツーリズム!


では、「人間と地球環境との関わりや環境保全の理解を深める学習」をするためにはどうしたら良いのでしょうか。もちろん、関連書籍を読む、小さい子供であれば絵本を読むというのも良いでしょう。

しかし、子供であっても大人であっても、『体感する』『体験を通じて学ぶ』方が自ら考える機会となり、その後に繋がるものです。地球環境、環境保全を体験するのであれば、自然学習が一番!

家の近くに大自然があるならベストですが、ない場合、休暇を使って自然のあるところに旅行に行ってみるのはいかがでしょうか。ただ、環境教育につながる旅行ですから、単なる家族旅行ではありません。

そんな「人間と地球環境との関わりや環境保全の理解を深める学習」ができる家族旅行にぴったりなのがエコツーリズム。

エコツーリズムとは、環境保全、現地コミュニティへの貢献、環境・文化の学習という3つの側面を持ったサステイナブルな旅のスタイルのこと。ただ、旅行するのではなく、旅行を通じて環境を保全し、現地のコミュニティがサステイナブルに観光という産業で生計を立てられるように貢献し、且つ訪れる旅行者は自然・現地の文化などを深く学び帰国後にも活かしていく、というwin-winの旅です。

環境教育にぴったりだと思いませんか?

エコツーリズムで何が学べるのか


エコツーリズムでは、国立公園や自然保護区を訪れる際、レンジャーと呼ばれるプロフェッショナルの現地のガイドと一緒に行動します。そのエリアの自然、文化、歴史などに精通したプロから様々な情報を得ることで、自分たちだけで行くよりもずっと多くのことを学ぶことができます。

では、どんなことが学べるのでしょうか。
一つずつ見ていきましょう。

1. 自然の偉大さ

壮大の自然の中に身を置くと、子供だけなく大人でも感動します。

こんな自然があるのかと、そしてなんて自然は偉大なんだろうかとまず体で感じます。

感動した、楽しかったという感情的にポジティブな経験はずっと後まで残る上、自分から興味を持って自然学習を「もっと知りたい!やってみたい!」と思うようになります。

2. リアルな動植物の生態

そのエリアに住む動植物の生態について学ぶことができます。

珍しい動植物に触れることで、世界にはこんなに色々な動植物が人間と一緒に生活しているのか!と五感で学び環境教育をすることができます。

3. 自然の中でのふるまい

自然環境の中でどう振る舞うべきか、もレンジャーは教えてくれます。

例えば、ポイ捨てやむやみに植物を採ったり動物に触ったりしない、そしてそれはなぜか、一つの小さな行動がどんな影響を与えてしまうのか。大人だって頭でわかっていても、実際目の前に可愛い小動物が現れたら餌をあげたり、触ったりしたくなってしまうものです。

そんな時どのように行動すべきか。自然の中でけがをしないためにはどうしたらいいのか、してしまったらどうするのか。細かいことも一つ一つ体験していくと、頭でわかっていることや学んだことと繋がって、後に残る学びになります。

4. どういう歴史をたどって今があるのか

これまでどういう歴史をたどって今のこの自然があるのか、その国の歴史や現地の人々がどうやって生計を立てていて、何がどうなって今のエコツーリズムにたどり着いたのか知ることで歴史から学びます。

5. 環境をどうやって保全していくか

今ある環境をこれから保全していくために、その国・エリアではどんな取り組みをしているのか、どんな人たちが関わっているのかなどを知るとその国・エリアでの課題や保全の難しさ、どうやって工夫しているかを学ぶことができます。


6. 日常生活で自分には何ができるか

その地域の歴史や現状、現在環境保全で努力していることなどが、自分たちの住む街や地域で参考にできることがあるかもしれません。

また、日々自分たちにはこの自然を守るために何かできることがあるのかな?と考えるきっかけにもなります。

7. 現地の人たちの生活

環境というと、自然環境に注目しがちですが、そこに暮らす人々も環境のうちです。現地の人たちがどのような生活をしているのか、それはどうしてかを知り、自分たちの生活と何が違うのかなど普段当たり前にしている生活を客観的に見るきっかけになります。

8. 現地の人たちの文化、慣習

7とも似ていますが、その国、地域の人はどんな人たちでどのような文化を持っているのかを学ぶことができます。

世界には自分たちと違う文化・慣習を持って生活している人がいる、ここだけでなく世界中にもっと色々な文化がある!ということを知ることは、大人は当たり前のことでも、子供にとっては驚くべき事実!ということもあるのです。

9. 先住民がいる場合、その文化を尊重すること

先住民の割合が多い国・地域では、先住民が昔から大切にしている文化慣習の尊重、先住民との共生が大きなテーマになっているところもあります。

日本にも先住民族の方々はいますが、そういった人々が少ないエリアに住んでいると大人であっても話にあがる機会も少ないかもしれません。

もし、先住民族と共生しているエリアを訪れたら、ぜひお子さんと一緒に学んでみてください。

10. 地球と自分の関係について考える

1から9までは、地球と自分の関係について考えるきっかけとなります。自然の恩恵を受けていることを感じて感謝したり、間接的だけど、日々のこんなことがこの地球の自然に影響しているんだ!と繋がりを理解したり、と、たくさんの気づきがあるでしょう。

そしてそこから、地球に対して自分ができることはなんだろう?といった疑問が生まれます。

旅の後に地球のことを自分の頭で考えるようになったら、旅は大成功です!

いかがでしたか?

・環境教育は机上で勉強するより、体験を通じて学ぶ

・現地の自然のプロと一緒に行き、しっかり学びに繋げる

・自分の体で感じ、自分の頭で考えるきっかけを作る

ということですね。また、子供が自発的に興味を持って参加しないと学びの機会を100%活かせません。ぜひお子さんの興味ややってみたいことなど意見を聞いて旅程を立ててみてください。

またお母さん、お父さんも一緒に興味を持って、一緒に体験して、一緒に考えてみてください。ご自宅での事前学習や事後のフォローアップも非常に有効だと思います。環境教育に自然の中でのエコツーリズム、ぜひ実践してみてください!



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