サステナビリティ

日本のトランジションタウンを訪れ
サステナブルな暮らしのヒントを得よう

「トランジションタウン」という言葉を聞いたことがありますか?トランジションタウンは観光地ではありません。しかし、持続可能な地域づくりを行っているトランジションタウンを訪れることで、私たちの生活の参考になるサステナブルな暮らしの知恵やヒントを得ることができます。

トランジションタウンとは?

トランジション(Transition)は「移行」という意味。グローバル・エコビレッジ・ネットワークによると、トランジションタウンとは「『エネルギーを大量に消費する脆弱な社会』から『適正な量のエネルギーを使いながら地域の人々が協力しあう柔軟にして強靭な社会、持続可能な社会への移行』」と定義されています。

つまり、普通の街から地域全体で協力して環境に配慮したサステナブルな仕組みを取り入れ変わろうとしている街のこと。似た意味の言葉で、「エコビレッジ」がありますが、エコビレッジもトランジションタウンもほぼ同じビジョンを持って活動しており、両方名乗っているコミュニティもあります。

トランジションタウンの活動と広まり


2005年秋に、イギリス南部の小さな町から始まったトランジションタウン。パーマカルチャーの講師であるロブ・ホプキンスが、ピークオイルと気候変動問題への対応策として起こした市民運動がきっかけです。ピークオイルとは、石油を採掘するコストやエネルギーが大きくなってしまい、石油の供給量がピークを超えて減少していくことをいいます。

現代社会では、大量生産・大量消費型ライフスタイルのなかで引き起こされた環境・エネルギー・食糧・社会格差などさまざまな問題が解決されずに取り残されています。そうした問題を解決するためにも、サステナブルな暮らしへの移行を目指し、コミュニティーで協力して考え行動できるような地域づくりをしている街が、トランジションタウンなのです。現在、世界50ヶ国以上で1000ヶ所以上がトランジションタウンとして登録されています。

日本のトランジションタウン

日本でもトランジションタウンを立ち上げることを目的に、2008年6月に「NPO法人トランジション・ジャパン」が発足、2009年にNPO法人認定を受けました。同年に、藤野、葉山、小金井の3地域から地域づくりを始め、2020年11月時点で全国に60以上がトランジションタウンとして登録されています。

ツアーで訪問できる日本のトランジションタウン

あなたの住む街の近くにも、トランジションタウンがあるかもしれません。まずは国内にある近場のトランジションタウンを訪れてみてはいかがでしょうか。

トランジションタウン藤野

神奈川県相模原市緑区の北西部の旧藤野町(2007年相模原市に合併)にあるトランジションタウン藤野。1996年にパーマカルチャーセンター・ジャパンが拠点を置いたこともあり、自然志向の高い人やサステナブルな暮らし方を模索する人が多い地域です。活動やワーキンググループは視察・見学が可能。ワークショップの体験、または街の活動全体を知りたい人は1DAYツアーに申し込むのがおすすめです。1DAYツアーはFacebookから過去のツアー内容の確認や申し込みを行うことができます。

〈活動やワーキンググループ例〉

・藤野地域通貨よろづ屋

地域の顔が見える間柄で「モノやコト」を交換する仕組み。お金では得ることができない豊かさをつくり、お互いさまのつながりを通帳方式で可視化することができます。

・藤野電力

生活の中でどのくらい電気を使っているのか、その電気はどのように作られているのか。太陽光を使って実際に「電気を自分でつくる」体験を通して、普段の生活でのエネルギー利用について考えることができます。

 トランジションタウン鈴鹿
(アズワンネットワーク 鈴鹿コミュニティ)

トランジションタウン鈴鹿は、三重県鈴鹿市にあります。ここでは、アズワン鈴鹿コミュニティーという、「アズワン(AsOne)=一つの世界」のモデル社会を実現する試みを中心に、「誰もが本心で生きられるコミュニティ」を目指しています。

グローバル・エコビレッジ・ネットワークに属してることもあり、世界各地からアズワンコミュニティの地域づくりモデルの視察に訪れています。アズワン鈴鹿コミュニティの試みに共感しているブラジル・韓国・スイスが、鈴鹿をモデルに地域づくりを本格化しています。サステナブルな暮らしのヒントを得るには、アズワンツアーがおすすめ!ウェブサイトから申し込みができます。

〈アズワンツアー内容例〉*土日中心に開催

・「おふくろさん弁当」

社員60名ほどの会社で、毎日1000〜1500食のお弁当を製造し、300軒前後のお客さんに配達。会社には上司も役職も規則も命令もありませんが、右肩上がりの経営状況です。

・「Suzuka Farm」

有機肥料でブロッコリー、人参、じゃがいも、さつまいも、玉ねぎを生産。農業がやりたい若い人達が設立した会社で、地域の人たちに応援してもらいながら農地や機会を確保、作られた作物は「コミュニティスペースJOY」にお金を介さないでおくり届けています。

トランジションタウンでは、そこに暮らしている人々からサステナブルな暮らし方を学ぶことができます。トランジションタウンといっても、千差万別。地域ごとに特色を生かした地域づくりの活動が行われています。トランジションタウンを訪れ、サステナブルな暮らしや地域づくりを学んでみてはいかがでしょうか?

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