世界の宗教関連スポットをサステナブルに旅しよう!
文化体験

世界の宗教関連スポットを
サステナブルに旅しよう!

世界各地には、宗教的に重要な場所がたくさんあります。旅行で現地の宗教に関連したサイトを訪れれば、異文化を学び、その地域の人々の信仰について知識を深めることができるでしょう。

宗教に関連したサイトや施設の多くは何千年もの歴史を持ち、観光と保全を両立したサステナブル・ツーリズムのために特別な努力がなされています。旅行を通じて環境を保全し、地域社会や地域経済に貢献するサステナブル・ツーリズム。その観光収入を活用して遺跡を保全し、私たちの孫、そのまた孫の世代まで楽しみながら学ぶことができる様に取り組んでいます。こうした取り組みは、遺跡と遺跡が持つ歴史を後世へと受け継いでいくことに他なりません。

今回は世界の3つのサステナブルな宗教関連サイトをご紹介します。

ギリシャのアトス山

ギリシャ北東部に位置するアトス山は、東欧正教会の修道院の重要な拠点。ここでは、*コンスタンティノープル総主教庁のエキュメニカル総主教の直轄地として、20の修道院と2,000人の修道士が住んでおり、ギリシャ共和国の領内であるものの、自治が認められています。

アトス山は、現存する最古の修道院共同体であり、正教会にとってとても重要な場所。「聖山」と呼ばれるアトス山は、神の母の庭と考えられているため、女性が足を踏み入れることは禁止されています。男性は許可があればアトス山の修道院を見学することができ、女性は外からアトス山を眺めることができます。

このサイトを維持する一環として、特に道路建設という観点から、修道院は地域の生態系の脅威を理解するために科学者を起用しました。そのため、環境に影響を与えるようなことをする際は、修道院と科学者の承認が必要となります。

*コンスタンティノープル総主教庁は正教会の代表格で、コンスタンティノープル総主教が持つ「エキュメニカル総主教」という称号は各正教会の中でも最高位とされています。

インドのエレファンタ石窟群

エレファンタ石窟群は、インド西部のエレファンタ島(別名ガラプリ)にある石窟寺院群で、主にヒンドゥー教のシヴァ神を祀っています。美しい洞窟美術で有名なこの石窟群は、6世紀頃に建設されたと考えられており、毎年何千人もの観光客を惹きつけてやみません。

この石窟群は主にインド考古学調査所によって保護されており、他の機関と協力の下、修復プロジェクトの指針となる保護計画を実施しています。毎年多くの人が訪れるため、洞窟の状態悪化は避けられませんが、洞窟の完全性の維持を目標に、独自の科学的基準と技術を用いて洞窟の状態修復を行っています。

カンボジアのアンコールワット

カンボジアのシェムリアップにあるアンコールワットは、12世紀前半に建設された巨大な仏教寺院群で、元々はヒンドゥー教の神ヴィシュヌに捧げられた建物。単一遺跡としては世界最大規模の大きさを誇るアンコールワットは、砂岩が主な建材であることや、十字回廊といった古典的なクメール建築様式が特徴です。

アンコールワットは、植物の繁茂や菌の繁殖、戦争や盗難などによる被害が大きいため、保存・修復のために多大な努力が注ぎ込まれています。崩壊した部分の修復や、デヴァター(ヒンドゥー教や仏教の神々)を地面に装飾した部分の保護など、様々な国がアンコール・ワットの保存プロジェクトに関わっています。

私たち旅行者も訪れやすいアンコールワット。
寺院の見学ツアーなどを利用して現地ガイドと回ってみましょう!

今回ご紹介した現地の文化や歴史を学ぶことができる宗教関連サイトでは、訪れる人が今だけでなくこれからずっと楽しめるよう大切に維持されています。こうした保全の取り組みをしている宗教関連サイトを訪れて、学びのあるサステナブルな旅行をしてみませんか?

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One Comment

  • NasakiNakajima

    遺跡といった大それたものではなく寺院等に興味があります。主に東南アジアしか行ってないので、行ったところはアンコールワット・トム、バガン、アユタヤぐらいです。

    通常の寺院ならミャンマー、タイ、マレーシア、シンガポールなどで主に道教、仏教、ヒンズーに行ってます。シンガポールはイスラーム、シーク教も言ってます。

    シンガポールには遺跡はない^_^;

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