
世界有数の
サステナブルデスティネーション
パラオ!
ミクロネシアとも呼ばれる太平洋の島国、パラオ。パラオは世界の七不思議の1つと呼ばれていることをご存知ですか?世界でも有数のダイビングスポットがある緑豊かなデスティネーションで、持続可能な取り組みに力を入れていることでも知られています。
パラオは豊富な海洋生物や原生林、生物多様性により、太平洋の環境保護団体からも注目されるほど。そんな自然の宝庫ということもあり、国をあげて環境保護に取り組んでいます。今では世界でも有数のサステイナブル先進国。そんなパラオがどのように自然を守りながら観光と共存しているのか、見ていきましょう。
パラオの持続可能なイニシアチブ
パラオにとって、観光は重要な収入源。観光は現地の人たちの生活を維持するだけではありません。豊かな自然の状態を維持するために、観光収入を活用してさまざまな環境を守る取り組みを行っています。
パラオの誓約
パラオは世界で初めて、観光客が入国時に島の環境に害を及ぼさないための誓約書に署名するシステムを取り入れました。入国時、誓約書に署名した場合にのみ、入国ビザが発行されるため、基本的には全ての入国者が誓約書にサインすることになります。
この誓約書が起草されたのは2017年。観光客は島にいる間、生態学的および文化的に責任のある方法で行動するために、島の規則を遵守する必要があります。そしてなんとこの誓約書の内容は、パラオ中の子供たちによって考えられたもの。島の環境を守りたいという現地の人の想いが詰まった誓約書ですね。
また誓約書では、パラオの将来の世代が安全な環境で繁栄し、生活することができるようにするため、このパラオ誓約の認証を受けた現地企業を選ぶことを観光客に求めています。
サメ保護区の創設
絶滅の危機に瀕しているヨゴレザメ。パラオの海域にも生息しているため、パラオの特定の地域では商業的なサメ捕獲が禁じられています。
パラオは長期的に持続可能性を促進することを目指し、2015年に地域経済を支える海洋保護区を創設しました。その巨大なサメの保護区は、なんと60万平方キロメートル以上で、世界で6番目に大きな海洋保護区。
この海洋保護区は、地元のコミュニティがサメを狩るのではなく保護することを選択したという事実の認識を高めるための意識的な取り組みです。この保護区では、海洋生物のほぼ80%を保護しているため、釣りは許可されていません。石油の掘削などの活動も禁止されています。
有毒な日焼け止めの禁止
サンゴ礁は、オキシベンゾンなどの日焼け止めに含まれる有毒化学物質による大きな危険に直面しています。サンゴの白化につながるため、「サンゴ礁に有毒」と見なされる日焼け止めの販売と使用は、2020年から国として世界で初めて制限されています。
パラオのエコツアー
パラオを訪れる旅行者は、現地で行われている自然保護活動を尊重しなければなりません。ヤシの木が並ぶ美しいビーチでリラックスしたり、シュノーケリングやハイキングを楽しむ際も、環境に配慮した旅、エコツーリズムのガイドラインを順守する必要があります。
そのため、豊富な自然を守りながら観光を続けられるよう、パラオ保護協会やパラオプロジェクトが中心となってエコツアーを促進し、環境への意識を高めるため懸命に取り組んでいます。もちろん旅行者だけでなく、現地の企業も環境に配慮することが義務付けられており、ツアー催行会社が再利用できないプラスチックを使用することは禁止されています。
パラオでの人気アクティビティは、何千ものクラゲが生息しているロックアイランドのクラゲ湖を訪れること。しかし、クラゲの個体数がしばらくの間危機に瀕していたため、この湖は数が増えるまで数年間閉鎖されていました。環境第一に考えて観光とのバランスをとっています。
パラオの中でもバベルダオブ島は、コミュニティベースのエコツアー(BCET)を強化しています。地元コミュニティへの観光による経済的利益と自然と文化の保護のバランスをとることで持続可能な地域社会の実現を目指しているバベルダオブ島。地域密着型のツアーをカスタマイズしてくれるこの島のエコツアーでは、地元の家族と過ごすホームステイ体験をすることもできます。
このように環境を第一に考えた厳しい規制を設けることで、素晴らしい自然を堪能できるのがパラオ。透き通るようにきれいな海、ゴミのないビーチ、そして地元で調達された食材を使った郷土料理。ピュアな自然の楽園、パラオに行ってみませんか?
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