
世界のサステナブルな空港
持続可能性はさまざまな産業で重要な課題として捉えられるようになりました。特に航空業界は二酸化炭素排出量という点において、今後さらなる改善が望まれています。そして、空港は世界の輸送において重要な役割を担っており、環境への影響を最小限に抑えることが不可欠です。そこで今回は、世界中の持続可能性に優れた空港と、環境に配慮するために行っていることについてご紹介します。
ガラパゴス・エコロジー空港(エクアドル)
2012年に完成したガラパゴス・エコロジー空港は、持続可能性という点で世界トップクラスの空港と言われています。エクアドルは生物多様性の観点でも世界的に重要な場所であり、この空港がサステナブルな空港となったことは驚くことではないかもしれません。
持続可能な材料で建設され、太陽光発電と風力発電のみで運営されているガラパゴス・エコロジー空港。この空港の建設に使われた資材の約80%はリサイクルされたもので、その中にはエクアドル・アマゾンの石油採掘場から出た鋼管も含まれています。
最近では、582,905kmのカーボンニュートラルな飛行距離、そして3,759年分の樹木の成長年数を報告しているこの空港。LEEDゴールド認証やエアポート・カーボン認証、ASQカスタマー・エクスペリエンス・アワード2019など、環境関連のさまざまな賞を受賞しています。
ストックホルム・アーランダ空港(スウェーデン)
スウェーデンのストックホルム・アーランダ空港は、カーボンフットプリントの削減に取り組んでおり、エネルギー消費量と温室効果ガス排出量の削減という目標を掲げています。持続可能性という点では、世界でも有数の空港であるストックホルム・アーランダ空港。風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーに投資し、廃棄物の削減やリサイクルプログラムも実施しています。
10年以上前にヨーロッパで初めてカーボンニュートラルを達成したストックホルム・アーランダ空港。ターミナルビルと飛行場ビルの暖房にバイオ燃料システムを使用している上、夏には地下帯水層から水を集め、空調システムに使用しています。さらに、この空港ではすべての支援車両を100%化石燃料を使用しないディーゼル燃料に切り替えています。
ボストン・ローガン国際空港(アメリカ)
ボストン・ローガン国際空港は、「エネルギー環境デザインにおけるリーダーシップ」の認定を受けた世界初の航空ターミナルを備えており、持続可能性という点でトップクラスの空港です。同空港のターミナルAは、建物からの熱を反射するように設計された屋根と舗装面を特徴としており、節水のために低流量の浴室設備も導入しています。さらに、マサチューセッツ港湾局(Massport)が数百万ドルを投資して、空港の滑走路のひとつを環境にやさしいアスファルトで舗装し直しました。
ボストン・ローガン国際空港のターミナルAは、2010年に米国グリーンビルディング協会から環境持続可能性に関するLEED認証を受けた最初の航空ターミナル。ターミナルの床と屋根は、建物から出る余分な熱を反射する素材でできています。また、空港オフィスの上空には高さ6フィートの風力タービンが多数設置されており、空港のエネルギー供給に貢献しています。
空港も、より環境にやさしいところが増えてきています。次のサステナブルな旅行では、今回ご紹介した空港を利用してみてはいかがでしょうか。
環境に優しい旅についてもっと知りたいですか?
次の旅のインスピレーションに、忙しい毎日のちょっとした息抜きに。
Ecotourism Worldのニュースレター配信登録はこちら。

