
ナマケモノは怠け者ではなかった!
可愛いだけじゃない、
ナマケモノの本当の姿
皆さん、ナマケモノという動物を知っていますか?ナマケモノは、その愛らしい外見、微笑んでいるように見える表情から、世界中で愛されている生き物です。ナマケモノという名前だけ聞くと、あまりいい印象はないかもしれませんが、その驚くほどゆっくりとした動作をみると、「ああ、だからナマケモノなのか」と納得してしまいます。どうしてナマケモノはこんなにも愛されるのか。そのナマケモノの秘密を探ってみましょう!
見ているだけで癒されるナマケモノ。筆者もファンの一人です。でも実際どんな生き物なのかあまりよく知らない人も多いかもしれません。可愛くて愛らしいだけではないナマケモノ、本当はどんな生き物なのでしょうか。
怠けているように見えて、敵から身を守っている
実は、この無気力に見える動物、とても賢いんです。ナマケモノは、木の上で毎日昼寝(約10〜15時間)することで、捕食動物を回避することができます。ナマケモノは週に1度は緑豊かな隠れ家を離れるだけと言われており、この習性は非常に安全な行動パターンなのです。
さらに、ナマケモノは自然のカモフラージュをすることができます。例えば湿気の多いジャングルでは、藻がナマケモノの毛皮で成長することがあります。この藻は緑色であり、ナマケモノが木に捕まって休んでいる際、周りの木々と一体化しているように見え、捕食者からのカモフラージュとして機能しています。
そして草食である彼らは、自らに生えた藻も食べたりします。省エネですね。

陸上では遅いが、水の中での動きは速い
ナマケモノの地上での動きは非常にゆっくりしたものです。まるでスローモーションを見ているかのようです。筆者もコスタリカで何匹もナマケモノを見ましたが、基本的に動いていない上、藻に覆われていたりするので、見つけるのが非常に難しかったです。奇跡的に木から降りようとしているナマケモノに遭遇しましたが、本当にゆっくりしていて「そんなんじゃ、敵に狙われちゃうよー」とこちらが心配になりました。やっと木から降り、四つ足で道を歩き始めましたが、木に摑まる時に役立つ長い爪が邪魔そうでした。おそらくあの動いている状態が彼らが一番危険を犯している瞬間でしょう。
なぜゆっくり動くのかというと、代謝が遅いから。コアラよりもずっと代謝率が低いそうです。ただし、この遅い代謝は、ナマケモノが生存のために多くの食べ物を必要としないということを意味するため、実は良いことです。食べ物が少なくても、他の種よりもずっと長持ちします。燃費がいいということですね。
ナマケモノの代謝率が低いのは,中南米のジャングルで生きるために適応を重ねてきた結果。ナマケモノの行動圏は狭く,ほとんどの時間は食べるか休むか眠って過ごしてます。また,体内のサーモスタットを調節するという珍しい能力を持っていて、外気温に連動して体温が5℃ほど変動します。体温調節の手を緩めることで,消費エネルギーを大幅に節約しているそうです。
そして、驚くことに陸上ではゆっくりですが、水中では動きが速く、ナマケモノは素晴らしいスイマー!意外ですね。
孤独を愛する
生息地の喪失はナマケモノに対する最大の脅威の1つ。日常的な脅威としては、主にヘビ、ジャガー、ワシといった捕食者。そんな敵から身を守るため、ひっそりと一人で行動します(ほとんど動きませんが)。
ナマケモノは群れで行動せず、基本的に孤独を好みます。怠け者だから仲間を探すのが面倒くさいと思っているわけではありません。孤独が大好きです。交尾期にだけ異性と一緒になります。孤独を好む内向的な人にとって、ナマケモノは素晴らしい師匠になるかもしれませんね!
このように、意外な一面もあるナマケモノですが、この愛らしい笑顔と独特な魅力から観光で訪れる人々によって、ストレスを与えられていることもあるようです。そのため、ナマケモノ保護基金などの保護団体が設立され、ナマケモノのストレス反応(腕を大きく広げるなど)やナマケモノと自然の中で共存する方法についての認識を高め、距離を保ち、持続可能で友好的な方法で観察することなど、訪れる人々を教育しています。
いかがでしたでしょうか。ナマケモノ、ただ木に抱きついているわけではなく、意味があったのですね。ジャングルという過酷な地で生きていく彼らなりの術なのでしょう。絶滅していないということは、必要な時は相手を見つけて子孫を残しているんですね。意外としっかり者のようです。
野生のナマケモノに会いたくなった人は、中米コスタリカがおすすめ。
エコツーリズム先進国でもあるコスタリカ、日本からはアメリカ乗り継ぎで行く事ができます。是非ジャングルに住むナマケモノに会いに行ってみてください。疲れたあなたに微笑みかけてくれるかもしれません。
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