脅威のCO2吸収率!マングローブを植林して地球を再生するプロジェクト
環境問題,  自然保護

脅威のCO2吸収率!
マングローブを植林して
地球を再生するプロジェクト

マングローブは気候変動に対抗するための大きな力になっていることを知っていますか?そして、世界中の沿岸地域と非沿岸地域が、マングローブ林を含む海洋生態系に大きく依存しています。今回はそんな地球にとってかけがえのない、マングローブ林の再生についてご紹介します。

マングローブとは?

マングローブは、熱帯・亜熱帯の118カ国以上の海岸や河川、沿岸に生息する樹木。マングローブは海水に浸かっていますが、それでも生き延びています。不安定な環境でも、他の植物が耐えられる塩分の100倍もある場所でも、成長することができるマングローブ。

マングローブ林は、生物多様性に富む沿岸の生態系として非常に重要であり、生物多様性の高い他の生態系と同様に、新薬の供給源となる可能性も秘めています。また、暴風雨や高潮の際に海岸の防波堤となって地域社会や海岸線を守り、観光や豊富な資源を通じて地域経済に直接貢献することも多いため、地域社会の生活にも欠かせない存在となっています。さらに、マングローブは海のろ過システムとして機能し、地球上のどの生態系よりも多くの二酸化炭素を吸収・貯蔵できるため、気候変動の影響を緩和することができるのです。

持続不可能な開発、養殖、観光、乱開発などにより、過去20年間で世界のマングローブの35%以上が破壊されました。マングローブ林は、熱帯林(アマゾンなど)を含む他の種類の森林に比べて、大気中の二酸化炭素(CO2)を10倍近く吸収しているため、これは地球にとって懸念すべきこと。マングローブは、毎年約12.3kgのCO2を吸収しています。マングローブの多くは32年以上生きることができると考えると、マングローブ1本は生涯で約400kgのCO2を吸収することができるということ。マングローブの森は、非常にユニークな生態系であり、保護すべき存在なのです。

マングローブ林の再生

マングローブ林の再生とは、マングローブ林の規模、健全性、生物多様性を高めるために、時間、エネルギー、資源を投入するプロジェクトのことを指します。

マングローブの再生は、(多くは人間の誤った行動に起因する)様々な理由で完全に、あるいはほとんど消滅してしまったマングローブを、元々存在していた場所に育て、植林すること。マングローブ植林は、放棄された地域を回復し、地域社会を巻き込んで、これらの森とそこに住む人々を管理・保護させることを目指しています。

マングローブの再生や生物多様性の保全に取り組んでいる団体は世界中にたくさんあります。例えば、持続可能な開発を目指す非営利団体「The Oceancy」は、指導を必要とする現地コミュニティが地域の森林を守り、マングローブの生息地をエコツーリズムの資源として活用できるよう、教育、啓発、研修などを通じて支援しています。こういったマングローブ再生に関連する地域への働きかけは、長期的にサンゴ礁やその生物多様性の回復に役立つだけでなく、気候変動対策にも繋がるのです。

The Oceancyのような組織が最初に行うのは、マングローブの適切な再生技術に関する地元コミュニティーのトレーニング。安全な場所に種を植えて芽を出し、成長したマングローブの苗を、一定の高さの場所に植え替えるのが一般的な方法です。こうすることで、種を直接植えるよりもマングローブの生存率を高めることができます。植林する苗木の数は、資金や地域コミュニティーの人的資源によって異なる場合があります。マングローブの植林は、潮位が許す限り(干潮時)可能。そこからマングローブの苗がどんどん育ち、マングローブの森ができあがります。植林されたマングローブは、種類にもよりますが、平均して1年に10~15cm程度成長します。

 

マングローブ林の保全に貢献するには

従来の保全策でマングローブを救うことができない場合、現地コミュニティへのトレーニングや教育を通じて、コミュニティと一緒にマングローブの再生に取り組むのが、マングローブを救う一つの方法です。例えば、The OceancyOceanus ConservationなどのNGOは、フィリピンのサライの地元コミュニティと協力して、積極的に新しいマングローブの苗木を植え、そこで回復・再生させ、最終的に森が再び繁栄することを目指しています。

気候変動の脅威が深刻化する中、マングローブ林の保全は最重要課題。マングローブの再生プロジェクトは、その周辺にある小さなコミュニティにとっても、大気質や海洋の状態といった地球レベルでも、非常に価値のあるものなのです。

マングローブの森を守るために、私たちも何かしてみたいと思いませんか?私たちにできること、それは例えば現地でマングローブ林再生に取り組んでいる団体の力になること。The OceancyOceanus Conservationなど、マングローブ林の保護と回復に積極的に取り組んでいる地元の保護団体を探し、そのプロジェクトに寄付してみましょう。

マングローブの木の里親になって、フィリピンサライの再生プロジェクトを支援したい方は、こちらをクリック。

関連プロジェクトの詳細や寄付については、theoceancy.orgoceanusconservation.orgをご覧ください。



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