
海の汚染と私たちにできること
海は地球にユニークな生態系をもたらしています。その絶妙なバランスがなければ、地球は悲惨な問題に直面するでしょう。だからこそ、海洋の保護はとても重要なのです。
海洋汚染は地球レベルの大きな問題。およそ160万平方キロメートルの表面積を持つ、現時点で島のようになっている太平洋ゴミベルトは、フランスの表面積の3倍、テキサス州の2倍の大きさであると言われています。
海洋汚染というと、ゴミやペットボトルが浮かんでいたり、油が流れ出ているようなイメージが思い浮かぶ人が多いかもしれません。もちろん、そういった汚染もあります。しかしそれ以外に、目に見えない海洋汚染もあります。それが、化学物質による汚染。世界の水域における化学汚染は、直接的、間接的、そして大気の両方のプロセスから発生する可能性があります。たとえば、Ocean Health Indexは、水銀は産業活動による大気汚染物質であり、大気中に吸収され、雨が降ることによって海に溜まっていくと言っています。そして、海の中で育つ海洋植物は、この水銀を吸収し、それを食べる魚も汚染されます。
海洋保護と一言で言っても規模が大きくなかなか掴みどころがありません。それもあって、世界中で、海洋保護の様々なポイントに特化して活動をしている組織があります。ウミガメに焦点を当てた保護活動、海洋汚染を浄化する活動、地域住民や漁に従事する人々への教育活動、サンゴ礁の保護活動、さらにはサメの保護など、専門家やNGO、民間企業や自治体など連携して活動をしているところも多くあります。
お住まいの地域や、いつも訪れる海で活動している団体があるかもしれませんね。一度調べてみると良いと思います。どのような活動をしているか知るだけでも知見が広まりますし、ボランティアとして参加できたり、活動資金の寄付や、会員になってサポートすることもできるかもしれません。今後、また旅行できるようになったら、海洋保護に重点を置いた海のエコツアーに参加することをお勧めします。せっかく楽しい一日を過ごすなら、地球に良いことも一緒にできたら最高ですよね。
世界の海洋保護団体リストは、MarineBioのWebサイトで確認することができます。
私たちできること
私たちの海に流れつくゴミの量を減らすために、個人レベルでも簡単にできることがあります。一つ一つの行動は些細なことのように見えるかもしれませんが、多くの人々が同じ行動をとれば、その影響は大きくなります。
すぐにでもできること:
- 海に入る時は、サンゴ礁にやさしい日焼け止めを使う。
- 買い物やものを運ぶ際、繰り返し使える布製のバッグを使用する。
最終的に海に漂うことになる可能性のある、使い捨てのビニール袋の数を減らすことにつながります。
- 地域を助けることに焦点を当てた海のエコツアーに参加する。
サンゴの植え付け、電気ボートの使用、参加費が海洋保護活動に使われるようなエコツアーを調べて申し込んでみましょう。
- 飲み物を飲む際は、ペットボトルを買うのではなく、再利用可能な水筒を持参する。
下水や海に流れ込む可能性のある、使い捨てのプラスチック製品を排除することにつながります。
- ゴミを持ち帰り、適切な場所に捨てる。
海洋汚染のすべてが、日帰り旅行者が出したゴミによるものではありません。実は毎日の生活も結果的に見えないところで汚染につながってしまっていることがあります。広い視野で考えると、私たち一人一人ができることって意外とたくさんあることがわかります。
長期的に効果が期待できること:
- ゴミの減らし方や私たちにできることなど、エコロジーの情報を友人や家族と共有したり、ソーシャルメディアを介して情報を広めたりすることで、自宅から海洋保護の取り組みをサポートできます。
- ゴミを出さないゼロウェイストを目標に、自分自身が出す個人的なごみの量を減らしてみましょう。全体的なゴミの量を減らすことで、海に流れ着くゴミを減らすことにつながります。
- 例えば、アパレル工場から出る染料や化学薬品は水質汚染物質です。必要な分だけ責任を持って買い物をし、できるだけ長く使い、新しい洋服の購入量を全体的に少なくしてみましょう。
旅で訪れて楽しい思い出と気持ち良い風を感じられるだけでなく、私たちの生活を支えている海。その海を汚染から守るために、何か自分でも簡単にできることがあるならやってみたいですよね。日常生活でゴミをできるだけ出さないこと、習慣になると節約や規律など間接的にいいことがたくさんあります。
そして、また旅に出られるようになったら、海を守るエコツアーに参加してみませんか。
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