
マイクロプラスチック汚染と
自然や人体への影響
最近よく聞くマイクロプラスチックという言葉。近年、世界最大の環境問題のひとつになっているのが、このマイクロプラスチック汚染です。毎年約3,8億トンのプラスチックが生産されていますが、世界平均でわずか10%しかリサイクルされていません。
今回は、マイクロプラスチックとは何か、自然や動物そして人間にどのような影響を与えるものなのか見ていきたいと思います。プラスチックごみを最小限に抑えるために、何をすればよいか考えてみましょう。
マイクロプラスチック汚染とは?
リサイクル施設で大きなプラスチックを分解したり、市販のプラスチック製品を開発したりする過程で、マイクロプラスチックと呼ばれる小さなプラスチックの粒が発生します。
生成されたプラスチックのほとんどはリサイクルできない、あるいはリサイクルされず捨てられるため、埋め立てられ環境を汚染することになります。
その後、マイクロプラスチックは、太陽光や海の波などの環境要因にさらされることで自然に分解されます。しかし、マイクロプラスチックは、無害な分子に自然に分解されるまでに数百年かかると言われています。
そのため土壌や飲料水に有害物質が溶け出す可能性があり、動物や人間にとっても有害なのです。
マイクロプラスチックの種類
マイクロプラスチックには、一次プラスチックと二次プラスチックの2種類があります。
一次マイクロプラスチックは、化粧品などの市販品の製造に由来するもの。漁網や衣服などの繊維製品から流出したマイクロファイバーである場合もあります。また、砂浜に色とりどりのプラスチックの破片として浮かんでいるのをよく見かけます。
一方、二次的なマイクロプラスチックはペットボトルの使い捨てプラスチックなど、より大きなプラスチックを分解した際に発生する粒子です。
マイクロプラスチックとは、一般的に5mm以下のプラスチックのことを指します。非常に小さいので、ほとんど見ることができません。
そして、マイクロプラスチックは空気中、陸上、海上を浮遊しています。そのため、動物や人が何らかの形で摂取することはほぼ必然と言えます。
海の中のマイクロプラスチック
プラスチックのポイ捨てにより、多くのプラスチックが自然界に流れ込んでいます。マイクロプラスチックの海洋汚染は、嵐や排水の流出や風によって海へと運ばれることで発生します。
海中のマイクロプラスチックは、海洋動物が誤って摂取しやすいのです。最悪なのは、マイクロプラスチックは生物が摂取する前に、他の有害な化学物質と結合してしまうこと。マイクロプラスチックを摂取した海洋生物は、その後人間によって捕獲され、食用として売られていきます。マイクロプラスチックは非常に小さいため摂取してしまっていることに全く気づかないこともあるのです。
では、どうすればこのような環境破壊を最小限に抑えることができるのでしょうか。
マイクロプラスチック汚染を最小化する方法
私たちが消費者や旅行者として、マイクロプラスチック汚染を減らすためにできることは何なのでしょうか。
それは、プラスチックを使わずに生活することです。
プラスチックを全く使わずに生活するなんて無理!ということであれば、他にもできることがあります。
例えば、特に1回きりの使い捨てプラスチックは使わずに何度も再利用できるプラスチック製品を使うようにすること。できることから始めてみましょう!
・環境にやさしい再利用可能なバッグを使用する
・買い物や外食、旅行の際には、再利用可能なボトル、ストロー、食器、容器を持参する
・プラスチックゼロの取り組みを実施している環境にやさしいホテルやツアーを選ぶ
世界の多くの国でも、プラスチックごみをゼロにする取り組みが行われています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
海のマイクロプラスチック対策には、海洋保護活動や海洋浄化技術が欠かせません。世界の海洋保全プロジェクトについてはこちらの記事をご覧ください。。
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