
ラグジュアリー旅行:
環境に配慮した滞在がスタンダードに
世界では、エココンシャスという言葉がオーセンティック(本物の)という言葉同様に、バズワードになっているようです。
コンシャスとは「意識している、認識している」といった意味ですが、「環境問題を自分のこととして認識している」という意味で使われています。地球のどこかで起こっている人ごとではなく、自分自身が関わる問題として認識しているということですね。
世界の富裕層は、自分で財団を設立したり、よく社会問題を扱う団体に寄付をしたりしています。環境問題を含めた世界を取り巻く問題に関心がないのは恥ずかしいこと、という意識があるようですね。
社会貢献に敏感な富裕層は、環境問題を自分のこととして捉え、自分の考えを行動に反映しているのです。旅先でも、サステイナブルな選択をしようとします。
サステイナブルであることは洗練されている、地球に対してマナーある行動をしている、という印象はこういったところから来ているのかもしれません。
変わるラグジュアリーの認識
そんな富裕層を顧客に持つ世界のラグジュアリーなホテルは、近年変わりつつあると言われています。
そう、「贅沢」の認識が数年前、5年前、10年前では異なっているのです。以前はきらびやかで豪華なシャンデリアなどの装飾やサービスなど多ければ多いほど良い、と思われていました。しかし最近は、シンプルで洗練された装飾で、過剰なサービスやものを提供するのではなくサステイナブルで質の高いサービスを提供する、というスタイルのホテルが増えています。
特に業界全体で、いかに使い捨てプラスチックの使用をゼロにできるかということにチャレンジしているようです。
例えばカンヌで開催された国際ラグジュアリー旅行博で、ラグジュアリーホテルブランドSix SenseのCEOネイル・ジェイコブスは、プラスチックストローは使わない、プラスチックボトルやシャンプーなどのプラスチック容器も使わないと断言しています。
これは、年間約2億本のプラスチックボトルを使用していないということ。想像を絶するインパクトですね。
また、レッドカーネーションホテルズは、ホテルで通常使用されている15のプラスチックアイテムの撲滅を発表。
ストローはコンポスト可能な紙ストローまたは金属製に、レストランでは100%パスタストローを使用するのだとか。テイクアウトのコーヒーカップはプラスチックを含まない完全に堆肥化可能な素材で、コーヒーカップの蓋はコーンスターチ発酵素材にすると発表しています。
これらは一例ですが、世界中のホテルが本気でサステイナビリティに取り組んだら、とてつもなく大きな影響が与えられるということが想像できますね。
旅行者が見極めて選択することが重要

このように、富裕層をターゲットにしてラグジュアリーなホテルは全体的にサステイナブルな方向に舵を切っているようです。
ただ、世界的にサステイナブルな施設が増えてきているとはいえ、旅行会社なども含めまだまだサステイナブルになっていないところがあるのも事実。地球に徹底的に配慮すると言った考え方が会社のDNAになければ、簡単に変えられるものではないようです。
ネイル・ジェイコブスは、自分が地球のためにどんなことをしているか、なぜそれをしているのか、自分の言葉で正直に説明できることが重要、と語っています。形だけやろうと思ってできるほど簡単なことではない、ということですね。
そこで、旅行者である私たちが旅先のホテルや旅行会社を選ぶ際、きちんとサステイナブルな対応をしているか、徹底しているかということを確認して選ぶ、ということが非常に重要になってきます。
なぜなら、彼らもビジネスなのでお客様から選ばれなければやっていけないから。
口先だけなのか、本気なのか、その会社・ホテルのウェブサイトや口コミを見れば、どのくらいその会社が環境配慮や現地コミュニティへの貢献に力を入れているかわかるものです。頑張ってやっているのであれば、それをお客様にアピールしたいですからね。
私たちが、旅行者としてしっかりと環境問題に向き合っている会社を選ぶことで、さらに旅行業界で顧客獲得のためにサステイナブルな取組みに力を入れるようになり、近い将来サステイナブルな取組みがスタンダードになっていくこと繋がります。
私たち一人一人の行動・選択が今後の環境問題を左右すると言っても過言ではありません。
是非、環境について自分のこととして認識し、将来の私たちにとってより良い選択をしていきましょう!
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