
国内旅行にピッタリ!
日本の国立公園に行こう
皆さんは日本の国立公園には行ったことがありますか?日本では34箇所が国立公園として指定されています。国立公園の豊かな自然に触れることで、気分がリフレッシュされたり、心の安らぎを得たりできます。国立公園は多様な自然を未来に残し続ける重要な役割があります。日本が誇る四季折々の美しい自然はまさに日本の宝だと言われています。
国立公園の役割とは?
国立公園は、今ある自然を後世に伝えていくために、国が指定している自然環境を保護・保全している地域です。
日本の国立公園の特徴は、自然だけではなく、歴史や文化の魅力も感じられ、多種多様な動物や植物が生息しています。また、国土が狭いので、他国のように日本は国立公園内の敷地全てを公園用にしておらず、国立公園内に住居があったり、農林業が行われたりといったように、私有地があります。管理はその地域の人々の生活や産業とのバランスをとりながら進められています。
そして、なんといっても国立公園は私たちが自然への関心を深め、自然に触れあえる場所。登山やキャンプ、シュノーケリングなど多種多様なアクティビティに参加できる上、素晴らしい風景を存分に味わうことが出来ます。今回は、その中でも、サステナブルな取り組みを行っている日本の国立公園を4箇所ご紹介します!
秩父多摩甲斐国立公園
秩父多摩甲斐国立公園は、関東陸にある唯一の国立公園で、交通の便も良いので首都圏にお住まいの方にオススメ。また、公園内にある両神山は日本百名山の一つに指定されており、登山やハイキングをしに多くの人が訪れます。夏には、ラフティングや沢登り、タイヤチューブに乗って川下りが出来るアクティビティなども楽しむことができます。
そして、一部地域は、ユネスコエコパークに登録されているこの国立公園。ユネスコエコパークとは、生態系の保全と持続可能な利用の調和、つまり自然と人間活動の共生を目的とした取り組みが行われている場所です。
令和元年に「甲武信ユネスコエコパーク」として国際的にユネスコ(UNESCO)から承認されており、エコツーリズムや環境への関心を深める学習の場として活用されたり、森林の機能性を保全したり、さらなる持続可能な利活用に向けて様々な取り組みが行われています。
さらに、動植物も多種多様で、ニホンザルや二ホンジカなどのほか、きれいな水色の羽をしたオオミズアオも生息しています。運が良ければ珍しい動物や植物を見つけることができるかもしれません!
利尻礼文サロベツ国立公園
利尻礼文サロベツ国立公園は、北海道にある日本最北の国立公園。稚内からフェリーを利用してさらに約2時間と少々遠い場所にありますが、名水百選に選ばれた甘露泉水や、桃台猫台という奇岩の絶景スポットがあったり、見どころがたくさん!
ここには、哺乳類で世界最小の一種であるトウキョウトガリネズミが生息しています。また、オジロワシやシマアオジといった希少な野鳥の繁殖地でもあるので、珍しい動物に出会いたい方はぜひ訪れてみてください。
また、利尻礼文サロベツ国立公園では、登山道の保全を目的に「利尻山コマドリプロジェクト」が行われています。利尻山上部は、火山性の地層で崩れやすいことから背丈以上の高さで、約三メートルほどまで登山道が削られてしまっています。コマドリプロジェクトでは、登山道の補修や、「利尻ルール」と呼ばれる登山マナーの普及に努めています。
そして、この国立公園では私たちが貢献できる方法を提供しています。それが、応援手ぬぐいや応援ピンバッジの購入。これらの収益は、登山道の補修活動や、利尻山の山岳保全に役立てられます。郵送での販売も行っているので、興味がある方はぜひ購入してみてください。
支笏洞爺国立公園
北海道内にある6つの国立公園の中で新千歳空港や札幌に最も近くアクセスが良い支笏洞爺国立公園。
この国立公園は、火山活動が活発で「生きた火山の博物館」といわれています。温泉観光地や、壮大な景観美が見られ、心身ともに安らぎを得られる地域です。ここには、ヒグマやエゾリス、キタキツネなどの動物が生息しています。そして、天然記念物のクマゲラが生息しており、積極的に動植物の多様性の維持と、生態系保護に取り組んでいます。
また、洞爺湖の地域は貴重な地質が認められ、ユネスコから世界的なジオパークとして承認されています。さらに、このジオパークは持続可能なツーリズムを目指し、「減災文化」と「火山の恵み」を通して持続可能な開発ポリシーを推進しています。積極的に、教育旅行や環境学習の場を設けているので、火山や環境について学びたい方はぜひ参考にしてみてください。
環境だけではなく、アイヌ民族や縄文文化など、北海道の文化も学ぶことが出来るのでオススメ。さらに、支笏湖の水がきれいなことから、クリアカヤックやシュノーケリング、SUPなど、透明度30メートルの水の世界を楽しめます!
三陸復興国立公園
東北地方にある三陸復興国立公園。東日本大震災により被災した三陸地域の復興に役立てるため創設されました。地震や津波といった自然の脅威を学び、防災教育学習の場の役割もある一方、リアス式海岸が続き、自然の恵みを受けながら自然と共生している地域でもあります。
ここでは、グリーン復興が行われており、復興エコツーリズムを行ったり、持続可能な社会を担う人づくり(ESD:education for sustainable development)を推進したりしています。
現在は、約6の団体・地域で行っている復興エコツーリズム活動。例えば、気仙沼市では民宿と連携し、カツオ漁がはぐくんだ海の文化を伝えるツアーを行い、地域活性化を促進しています。他にも川や沢の水しぶきを浴びて、自然の涼しさを感じるシャワークライミングが出来るツアーや、塩竃市でだんべっこ船(漁師が漁に利用している船)に乗ることが出来るツアーなど、東北の文化や歴史を学びながら自然に触れあうことが出来る一石二鳥なツアーがたくさんあります。
そして、ここは海鳥の重要な繁殖地であり、クロコシジロウミツバメの国内唯一の繁殖地でもあります。また、海域にはウニやアワビ、アイナメなどの貴重な水産資源も生息。三陸の豊かな自然環境が、私たちの食卓をより良くし、生物保全にも役立っています。
日本の国立公園で豊かな自然に触れよう!
国立公園は、今ある自然を守る、そして次の世代に自然や文化を残し伝えていくことを目的に指定されています。多くの国立公園で、アクティビティが楽しめたり、文化や生物多様性を学べる施設があったり、野生生物を観察することができます。また、自然を楽しむだけでなく、自然に関する様々な知識をえられることも大きな魅力の一つ。
今回ご紹介した場所以外にも日本には国立公園がたくさんあります。環境について関心を深めたい方、もしくは体も心もリフレッシュしたい方は、ぜひ国立公園に足を運んでみてください!
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【Tam】
気候変動の分野に関心を持ち、持続可能性の促進に向けた体制作りを勉強中。
様々な分野でのサステナビリティを目指し、エコツーリズムも一つの方法として発信している。

