北欧ラップランドの先住民文化とサステナブル旅行
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北欧ラップランドの
先住民文化とサステナブル旅行

ラップランドとは、北欧の北極圏に位置し、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンにまたがる地域のこと。この美しい地域には、手つかずの大自然、雪のツンドラ、そして他に類を見ない先住民族の文化が息づいています。ラップランドに旅行する際は、現地の先住民コミュニティに配慮したサステナブルな旅ができるように、事前に情報収集してみましょう。

ラップランドのサーミ文化

サーミはラップランドの先住民族で、EU唯一の先住民族です。サーミ族は3,500年以上前からこの地に住んでおり、推定人口は約10万5千人。サーミ文化はこの地域に根ざしており、狩猟、畜産、自給自足のサステナブルな生活を送っています。

しかし、近年サーミ族に権利や特権を与えようとする政府関係者の間で、サーミ語やサーミの習慣の衰退が懸念されています。サーミ族の若者の多くはサーミ語を話すことができず、トナカイの放牧などの慣習は現代のサーミ人の5〜10%程しか実践していません。

ラップランドにおけるサステナブルな観光への努力 

サステナビリティはラップランドの重要な文化基盤であり、このことは多くの政策がこの地域における倫理的な観光の必要性を反映していることからもうかがえます。フィンランドのサーミ議会は2018年に「責任と倫理あるサステナブルなサーミツーリズムのための原則」を採択。豊かなサーミ文化を尊重し保存するための倫理的ガイドラインを明示しました。

しかし、鉱業、林業、建設業は、先住民の伝統的な土地に大きな影響を及ぼし、利益追求のためにラップランドの自然環境に深刻なダメージを与えてきました。

そして、フィンランドやスウェーデンの観光業界へは、儀式や土産物など本格的なサーミ体験を提供することで、サーミ文化を観光客誘致のためのマーケティングツールとして利用しているのでは、との批判も。こうした文化保全と経済発展の間に生じる妥協に対抗するべく、各国政府はサーミ族の伝統的な慣習を保護する規制を導入しています。現在進行中ではあるものの、先住民文化が持つ古代哲学を尊重し、保護するためサーミ評議会の設立や、サーミの人々の政治的代表権を獲得するといった取り組みを行っています。

ラップランドへの旅は、サステナブルに

ラップランドには、サーミ文化を尊重しつつ実際に体験できるサステナブルなアクティビティが盛りだくさん!ここでは、ラップランドでの旅行で、どのような地元や先住民の文化体験ができるかご紹介します。

サプミのネイチャーキャンプで自然の中に身を置く

サーミ文化で最も重要な原則の1つは、今いる場所から離れる際に自分の痕跡を残さないこと。サプミのネイチャーキャンプでは、北部サーミのスタイルで作られた小屋に宿泊することができます。ゲストは滞在中、サーミ料理を体験したり、伝統的な話を聞いたり、先住民の文化を学んだりと、どっぷりとサーミ文化に浸ることができるんです。

シャウンジャ(Sjávnja)自然保護区の中心部にある、グリーンキーにも認定されているサプミネイチャーキャンプ。ゲストと土地のつながりを重視し、2019年にグランドトラベル賞のベストスウェーデン・エコツーリズム賞を受賞しています。

サッラ野生動物公園でトナカイの放牧について学ぶ

ラップランドには50万頭以上のトナカイが生息しており、その放牧と農業はサーミ文化の要。フィンランドのサッラ野生動物公園では、野生生物の生息地を乱すことなく、美しい動物たちを間近に見ることができます。経験豊富なサーミ人のガイドが、犬ぞりや釣り、オーロラ撮影などの様々なツアーを案内しながら、この地域の歴史やサーミ人にとってのトナカイの重要性を教えてくれます。

観光による影響を最小限に抑えるため、公園の大部分は歩行者専用になっています。冬にはスノーシューやクロスカントリースキー、夏にはカヌーやハイキングなどを楽しむことができるので、スポーツ好きにもおすすめ。 サッラ野生動物公園はグリーン・キー認証を受けており、地元の人々とともにサーミ文化を守るため、熱心に取り組みを続けています。

ロヴァニエミでオーロラ・スキーを楽しむ

暗闇の中、北極圏の空をまばゆく照らすオーロラは、誰もが一度は見てみたい壮大で神秘的な現象。ビヨンド・アークティックでは、クロスカントリースキーを楽しみながら、夜空に舞うラップランドの知られざる美しさに出会えます。必要なのは、スキー、ヘッドランプ、カメラだけ。手つかずの静寂に包まれながら、知識豊富な現地ガイドからの解説で自然への理解も深まり思い出に残る体験になることでしょう!

この地域の繊細な生態系や野生生物を考慮し、ビヨンド・アークティックのツアーは光と騒音による汚染を最小限に抑え、またゲストはラップランド特有の雪深いツンドラや手つかずの森林と一体となることができます。ビヨンド・アークティックはラップランドで積極的にサステナブルな観光への取り組みを行い、2016年からはフィンランドのサステナブルトラベルプログラムのメンバーとして活動、2021年にはグリーン活動環境アワードを受賞しました。

この記事でご紹介したのは、北欧でサステナブルな旅行を楽しむ方法のほんの一部。ラップランドは世界で最も美しい場所の一つであり、サステナブルな観光を求める人にとってのパラダイスでもあります。圧巻の風景と豊かな先住民文化を持つラップランドへの旅は、地元の伝統や慣習を学び実際に体験することで、思い出深い豊かなものになるでしょう。

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