ビュッフェ
環境問題

旅行で食品廃棄を減らす方法

世界中で毎年約16億トンの食料が無駄になっています。世界中で食べることに困っている人がたくさんいるのに、信じられないほどの量の食料が無駄に捨てられているということ。

まさにこれが、国連が食品廃棄物の削減を持続可能な開発目標の1つとして宣言した理由です。食品廃棄物の計算には、食品の生産に必要な資源も含まれます。農業の水消費量は全体の水需要の約70%。つまり、より多くの食料がゴミとして捨てられると、その食料が作られる時に使われた水も土も同じように無駄になってしまったということになります。

旅行業界における食品廃棄物の状況

旅行業界にも食品廃棄の問題があり、食品廃棄物の対策はまだ十分ではありません。例えば、旅行者のニーズを満たすために必要な食料の量を見積もって事前に積み込む必要がある大型クルーズ船。足りなくなったら困るので、必要以上に多くの食べ物が船内に積み込まれ、その後、残り物はゴミとして捨てられてしまいます。

他には、誰もが好きなだけ食べられるビュッフェ付きのオールインクルーシブホテル。ドイツのホテルだけでも、年間20万トン以上の食品廃棄物を生み出しています。食品廃棄物を減らすためにやるべきことは、まだたくさんあります。

旅行業界の食品廃棄物ソリューション

旅行業界、ホテル、クルーズ船は、食品廃棄を限りなく減らす努力をする必要があります。実際に旅行者が食べる量を事前にしっかりと計算し食品調達することはもちろん、食品廃棄を生み出さない仕組みを作ることが不可欠。また、最低限出てしまう食品廃棄をどう活用するかということも重要です。例えば、ドイツの一部のホテルでは、すでに「RESOURCE MANAGER FOOD」といったシステムを使用して無駄が出ないよう食品調達の量を管理しています。他にも、地元で採れるものは地元から仕入れることでよりフレキシブルに対応したり、メニューの数を少なくしたりすることで、食品廃棄物を減らすことができます。

1種類のメニューしかないレストランは、お客様がそのメニューしか頼まないことがわかっているので、そのメニューの材料だけを準備するため、20種類のメニューがあるレストランより無駄が出ない可能性が高い、ということです。

また、レストランで残してしまった食べ物を家に持ち帰ることができる、という選択肢を用意する、在庫が多すぎるのであれば、慈善団体に食べ物を寄付したり、残飯を家畜の餌にすることも考えられます。

私たち旅行者ができること

クルーズやビュッフェ、ホテルやレストランを選ぶ際は、食べ物がうまく処理され、無駄にしない仕組みがあるのであるか事前に確認してみましょう。

確認する方法としては、ウェブサイトに食品管理のポリシーが提示してあるか、食品廃棄や環境に対して意識的に対策をとっているか、そして、レビューなどでそれが実際に実践されているかどうかを見てみましょう。また、メニューは多すぎないか、ビュッフェかどうかということも判断する手がかりになります。もし食品廃棄がたくさん出ていそうなところがあれば、ホテルやレストランに前向きな提案をすることで、今後の改善に繋がるでしょう。

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