
旅行を通じてSDGsに貢献する方法
世界中で国連が提唱する持続可能な開発目標(以下SDGs)に向け、さまざまな取り組みが行われています。それはもちろん旅行においても例外ではありません。注目したいのは、旅行が17のSDGsすべての目標において大きな役割を担っているということ。
SDGsとは、2015年に国連が策定した世界の解決すべき問題を17項目にまとめたリストで、2030年までに達成することを目標としています。
SDGsの17の目標がどのように旅行に関連しているか、こちらのSDGs: 旅行が地球や世界中の人々に貢献している17のことを先にお読みいただくことをお勧めします。
これらの目標には、「1. 貧困をなくそう」、「2. 飢餓をゼロに」、「12. つくる責任つかう責任」、「17. パートナーシップで目標を達成しよう」などが含まれています。その中で、わたしたちにできる事はあるのでしょうか?答えはイエス。なぜなら旅行は、国連のSDGsのすべての目標に直接的、間接的に関連しているからです。
旅行する際は今回ご紹介するポイントを意識して、SDGsに貢献してみましょう!
旅先で気候変動や女性の権利に関連する取り組みに注目する
観光産業では、多くの女性が活躍しています。旅先で女性の権利に関する取り組みに注目してみましょう。そのデスティネーションでは男女ともに同レベルの雇用機会が与えられているか、女性がイキイキと活躍しているかという点を意識して見てみましょう。そして、女性の権利に関連する取り組みをしている場所や現地企業を利用して応援してみてはいかがでしょうか。
例えばウガンダでは、UCOTA(Uganda Community Tourism Associated)という団体が宿泊サービス、手工芸品事業、ダンスや演劇を通じて、女性の地位向上を支援しています。また、ネパールでは、Empowering Women Of Nepalの取り組みにより、女性のトレッキングガイドを雇うことができます。
気候変動への対策や教育なども同様です。フライトを予約する際にカーボンオフセットを選択することで、自分の旅行で発生する二酸化炭素を相殺することができます。また旅先を選ぶ際は、デンマークのコペンハーゲンのように、積極的にサステナブルな取り組みを導入し、地域全体で徹底的に気候変動政策を行っている都市を訪れてみてはいかがでしょうか。
このように課題を意識した上で、その課題に取り組んでいる団体や場所、コミュニティが提供しているサービスを利用することを通して、間接的に課題解決に貢献することができます。これを実践することで「4. 質の高い教育をみんなに」、「5. ジェンダー平等を実現しよう」、「8. 働きがいも経済成長も」、「10. 人や国の不平等をなくそう」、「11. 住み続けられるまちづくりを」、「13. 気候変動に具体的な対策を」、「17. パートナーシップで目標を達成しよう」といったSDGsに貢献することができます。
サステナブルな活動を実践している宿泊施設に滞在する
環境に優しい経営をしているホテルやリゾートの多くは、SDGsに貢献しています。多くのサステナブルなリゾートが、SDGsの目標の一つである「12. つくる責任つかう責任」は取り組むべき大きな課題であると考え、再生エネルギーの使用や廃棄物の削減やコンポスト利用などを実践しています。
また、敷地内で農作物を栽培し、リゾートで提供する食料を確保する取り組みを行っているところも。これは「飢餓をゼロに」の目標へも繋がっており、農業の生産性を向上させ、地産地消を促します。小さな取り組みに見えるかもしれませんが、継続的に行うことで大きなインパクトがあるのです。
ヨルダンのフェイナン・エコロッジのように、地域の主産業であった銅鉱業よりももっとサステナブルな経済的利益を地域社会に提供しているホテルもあります。フェイナン・エコロッジでは太陽光発電、コンポスト、リサイクル、そして地元の人々を雇用することで、戦略的にサステナブルな運営を実現しているのです。さらに、フェイナン・エコロッジのほとんどの食事は、近隣の村で生産されたものを使用しています。フェイナンエコロッジの詳細については、こちらをご覧ください。
グリーンキーやアースチェックなどのサステイナブル認証を受けているエコフレンドリーな宿泊施設を探すには、Travel Mythやトリップアドバイザーのグリーンリーダーズプログラムなどの検索エンジンを使い、エコフレンドリーというフィルターを選択してみてください。
サステナブルな取り組みを行っている宿泊施設に滞在することで「7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、「8. 働きがいも経済成長も」、「11. 住み続けられるまちづくりを」、「12.つくる責任つかう責任」、「13. 気候変動に具体的な対策を」、「17. パートナーシップで目標を達成しよう」といったSDGsに貢献することができます。
サステナブルなツアー会社が企画するツアーに参加する
旅行先で自然を楽しむことは、実はSDGsの目標に貢献する良いチャンス。海洋生態系の保全と保護に役立ち、ブルーエコノミーを促進することは「14. 海の豊かさを守ろう」、雄大な風景、豊かな森林、生物多様性を環境への負荷に配慮して楽しむことは「15. 陸の豊かさも守ろう」に繋がります。
例えば、自然を楽しむための方法として、サファリエコツアーを運営するアンドビヨンド。11カ国、29のキャンプとロッジで、地元の人々を雇用したラグジュアリーなアフリカンサファリを提供しています。ボツワナに小規模発電所を設置することで地元の人々や動物に配慮した責任ある旅行を企画したりと、地域社会と環境への貢献においてさまざまな取り組みを行っています。
エコツアーを選ぶメリットについては、「エコツアーとは?エコツアーに参加すべき10の理由」をご覧ください。
エコツアーに参加することで、SDGsのうち「1. 貧困をなくそう」、「6. 安全な水とトイレを世界中に」、「7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、「8. 働きがいも経済成長も」、「11. 住み続けられるまちづくりを」、「12. つくる責任つかう責任」、「13. 気候変動に具体的な対策を」、「14. 海の豊かさを守ろう」、「15. 陸の豊かさも守ろう」、「17. パートナーシップで目標を達成しよう」などの項目に貢献することができます。
ここに挙げた3つの方法は、旅行を楽しみながら私たちが個人でSDGsの目標達成に貢献できる一例です。それぞれの取り組みは大したことがないように思えるかもしれませんが、一年間で18億人が旅行していることを鑑みると長期的には社会に大きな変化をもたらすはず。2030年に向けた持続可能な開発目標達成のために、できることから行動をおこしてみませんか?
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