
プラスチックの
有害なバクテリアと海洋汚染
海には約5兆2,500億個、1平方キロメートルの海には1万7,767個のプラスチック片があると言われており、深刻な海洋汚染となっています。そして、世界の消費者は毎日100万本のペットボトル、100万個の使い捨てコップ、そして200万個のレジ袋を購入しています。つまり、毎分プラスチックが世界の川や海に流れ込み、1年間で800万トン以上のプラスチックが海洋に流れていくのです。実は有害なバクテリアを運ぶ媒介者にもなるプラスチック。それが海洋生物に影響を及ぼしていることはあまり知られていません。今回は、プラスチックの有害なバクテリアと海洋汚染について見てみましょう。
プラスチックが運ぶバクテリアとは?
プラスチックはバクテリアが付着しやすく、人間のコレラの原因となる有害なバクテリアを海に運ぶキャリアであることが判明しました。これが海洋生物にどのような影響を与えるのか、気になりますよね?プラスチックがサンゴに絡まると、バクテリアがナイフのようにサンゴを切ってしまうのです。言うまでもなく、人間の排泄物による多量の糞便バクテリアは、沿岸の生態系や海洋生物にとって大きな脅威となっています。
プラスチックによる海洋汚染は、マリアナ海溝の底から北極圏の海岸まで、あらゆる場所で細菌が発見されるほど問題になっています。科学者たちは、海洋におけるプラスチック汚染が、これらの人体病原体を海によって世界中に運んでいるのではないかと懸念しているのです。
細菌を処理する自然な方法
海藻は、魚やウニ、甲殻類など何千もの海洋生物に避難場所や食料を提供するための生息地を作り出しています。そんな海藻ですが、実はプラスチックを捕捉し、天然のバイオで殺菌することにより、有害な細菌を50%削減することができるのです。つまり、海藻は海の汚染を自然に減らす働きをしています。
どのような取り組みがなされているのでしょうか?
海のプラスチック汚染を減らすために、世界中で多くの新しいプログラムが立ち上がっています。例えば、太平洋のゴミの山に挑む「オーシャン・クリーンアップ・プロジェクト」。また、港や水路の水面からプラスチックやその他の廃棄物を回収するシービンやトラッシュホイールといった革新的な技術を使った新しい取り組みも行われています。
世界の海のプラスチック汚染に対する取り組みについては、「海の汚染と私たちにできること」、「海をきれいにする技術とその取り組み」をご覧ください。また、プラスチックのゴミを減らすためにできることについては、「プラスチックゴミ問題と便利なサービス」、「プラスチックリサイクルの実態」、「旅行や日常生活でプラスチックフリーを実現しよう」をご覧ください。海洋汚染を減らすために簡単なステップを踏むことで、海に流れ込むプラスチックの量を減らすことができるのです。
私たちも自分でできることからやっていきたいですね。
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