
東南アジアの食文化に触れる旅
食のエコツアーとは
最近日本でも東南アジアの料理店が増え、コンビニやスーパーでも色々な料理や食材を目にすることが増えてきましたね。そのため、東南アジアの料理についてよくご存知の方も多いと思います。
東南アジアの食文化といっても国、地域によってかなり違いがありますが、一般的に香辛料やパクチー、ナンプラー(魚醤)、ココナッツミルクなど日本食にあまり使われないような食材を使うことも多いため、異国の味だなーと感じる方もいるかもしれません。一方で、お米をベースにした料理も多いので、少し馴染みやすさも感じるのではないでしょうか。
美味しい東南アジア料理、本物の味を現地で味わってみたい!と思ったことはありませんか?実は、東南アジアの食文化を堪能できる現地のエコツアーが沢山あるんです。今回は、そんな東南アジアの食文化と、現地で食を楽しめるエコツアーについて紹介していきます。
エコツアーとは
エコツアーとは自然環境や歴史文化など、固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値が理解され、保全につながることを目指す旅行です。
●自然・文化の保全
●現地コミュニティへの経済的な利益還元
●旅行者の学習的経験
これらを満たした経験をツアー化したものがエコツアー。
詳しくはこちらの記事「エコツアーとは?」をご覧ください。
食というのは文化の一部であるため、現地の食を楽しむことはエコツアーが目指しているその土地ならではの魅力を伝えることにつながりますし、現地で生産された食べ物を現地で消費することで、現地コミュニティに利益を還元し、輸送を減らすことでCO2削減にも繋がります。
ベトナム

ベトナムは昔から中国文化の影響を強く受けてきたため、ベトナム料理も中華料理の影響を受けています。また、19世紀から20世紀にかけてフランスの植民地統治を受けていたため、フランスの影響も受けているのが特徴です。
特徴としては、周辺諸国と同様、発酵調味料である魚醤やマムトムと呼ばれるシュリンプペーストを使うこと、付け合せにコリアンダー、ドクダミなどの香草を使うことが挙げられます。基本的に米食文化であり、麺類や春巻の皮なども小麦ではなく米から作られています。
主なベトナム料理
・春巻き(生春巻き・揚げ春巻き・蒸し春巻き)
・フォー
・バインセオ(オムレツのような料理)
地域による特色もあり、北部は「塩見が強く、香草をあまり使わない」、中部は「辛い料理が多く、盛り付けが凝っている」、南部は「甘めの料理が多く、ハーブを多用する」特徴があると言われます。
一般的にはベトナム料理は日本人が馴染みやすい味です。
そしてベトナムには、地元の食材や料理を体験できるエコツアーがあります。
例えば、エコツーリズムに力を入れている南部のベンチェ省では、ココナッツ加工のワークショップ、果樹園ツアーなど、地元の食材を楽しめる体験があり人気が高まっています。
ベンチェ省はココナッツの森林に覆われた肥沃な土地で、果物の栽培や稲作が盛ん、魚や海老も豊富なので、美味しい食材を楽しむことができます。特産品はケオ・ズアというココナッツキャンディ。ココナッツを搾り、鍋でもち米や砂糖、麦芽などと煮詰め、お好みでチョコレートやピーナッツを加えて煮込んだお菓子です。
筆者はタイで、ココナッツファームのツアーに参加したことがありますが、ココナッツミルクを使って「トムカーガイ」というココナッツミルクベースの鶏肉のスープを作ったり、バタフライピーという青いお茶(酸味を足すと紫色に変わる)を飲んだり、バスソルトを作ったり、農園見学をしたりと色々な経験ができ、とても楽しかったです。日本にいるとココナッツ農園をはじめとする南国植物の農園を見ることはほとんどないので、筆者の経験からも農園ツアーはお勧めです。
タイ

ベトナム料理も日本で目にする機会が多いですが、タイ料理店もあちこちにあるため、一度は食べたことがある方も多いと思います。
タイ料理は、中国をはじめとする周辺諸国の料理の影響を受けていると言われ、香辛料やハーブを多用し、辛味、酸味、甘味などが入り混じった複雑な味付けが特徴です。
主なタイ料理
・世界三大スープの一つに数えられるトムヤムクン
・カレー(グリーンカレーやマッサマンカレーなど)
・麺類(パッタイなど汁のない麺類やラーメンのようなものまで多様)
そんなタイにもホームステイをしながら本場のタイ料理を体験できるプログラムを実施している場所があります。例えば、南部の小さな島ヤオノーイでは、イスラムの教えを守りながら漁や農業などで生計を立てている島民の家に滞在し、彼らの取り組む海の環境保護について学んだりすることができます。また東北地方にある村バーン・プラサートでは、田植えの体験をしたり、村を上げての歓迎式を体験したりすることもできます。
タイ料理は北部や東北、南部など地域ごとに特徴のある料理もあるので、今まで知らなかったタイ料理に出会えるかもしれません。そして、現地の家庭へのホームステイや村の伝統的な行事への参加は忘れられない思い出になるでしょう。
東南アジアの食文化を知る旅に出ませんか?
せっかく旅行に行くなら現地のものを食べたい!と自然に思う方も多いと思います。さらに、このようなエコツアーに参加すれば、現地料理を食べるだけでなく、現地の人と交流したり、自分で現地料理を作る経験をしたりすることもできるので、貴重な経験になること間違いなし!
ホームステイという形でなくても日帰りで料理や農場の見学ができるところもあるので、是非、東南アジアに行って食のエコツアーに参加してみてください。
Ecotourism Worldでは、エコツーリズムやサステイナブルな旅についての情報をニュースレターとして配信しています。次の旅のインスピレーションに、忙しい毎日のちょっとした息抜きに。ニュースレター配信登録はこちら。
【Sayaka】
趣味は旅行や読書。タイへの留学やフィリピンでのボランティアを経験し、東南アジアへの関心が高い。旅の中でオーバーツーリズムを実感することがあり、エコツーリズムに興味を持つ。日々学びながら情報発信中。

