見習いたい!北欧の環境教育
サステナビリティ,  環境

見習いたい!北欧の環境教育

近年、環境問題が深刻化している中で、私たち一人一人の環境を大切にする心と、行動が重要となってきています。そこで注目されているのが、環境問題について興味・関心を高め、必要な知識や技術を習得する、環境教育。特に、未来を担う幼少期の環境教育は、地球全体にとって必要不可欠と言えるでしょう。

学校の垣根を越えて、リアルタイムで起こっている世界の環境問題について取り組む機会が得られる環境教育。環境プログラムを通じて、子どもたちは環境問題を解決するための創造的な思考力を養い、適切な環境を考え、発信することを目指しています。

そんな環境教育が義務教育の科目に定められているのが、北欧。そのため、子どもたちは幼いうちから環境の持続可能性に関する知識を身につけることができます。

北欧は各国それぞれ国をあげて取り組みが行われており、高等教育法の改正が行われたスウェーデンでは、1994年と2006年、国のカリキュラムに「持続可能な開発」が盛り込まれました。また、「環境パフォーマンス指数(EPI)」で世界一になったデンマークでは、国の教育政策により、カリキュラムに環境教育が含まれています。

デンマークでは、この政策により、1年生から10年生までが、自然と社会、人間一人一人の関係性について学んでいます。また、国の歴史や文化も同時に学ぶことで、自分たちを取り巻く環境についての知識も得ています。学びを通じて、人間と自然の関係を理解し、持続可能性について多角的に考え、実行する方法を身につけているのです。

このように環境教育に力を入れている北欧は、企業などの組織体が環境に関して配慮した結果、どれだけ環境負荷を削減したかを示す指標である「環境パフォーマンス指数(EPI)」でも上位にランクインしています。サステナブルな地球を実現するためには、幼少期からの環境教育が重要であると言えそうですね。

幼少期の環境教育

幼少期の環境教育とは、子どもたちを野外に連れ出し、自然を探索させること。また、自然やその役割、人間がどのように自然を管理できるかについて、みんなで話し合ったりすることも環境教育の一環として行います。

環境意識

・教育におけるサステナブルの方針  

北欧各国では、環境意識の向上を図るため、サステナブルな政策を掲げています。その政策の枠組みは国によってそれぞれですが、「幼少期から環境に対する意識を高める」という同じゴールを目指しています。

・教育 

北欧に限らず、世界中でカーボンニュートラルのビジョンを実現するためには、教育が重要な役割を担っています。幼稚園生から大学生までの若い人たちに、自然やサステナブルについて教育することが非常に大切だという考えがある北欧諸国では、教師が環境教育に力を入れることが推奨されています。

生態学から自然保護

生態学を通して、環境とその生物多様性について学ぶことができます。そして、一番重要なのは、学習中に実際の環境と触れ合う機会があること。学校での環境教育プログラムを通じて、子どもたちは環境保全に参加する意欲を育むことができます。

例えばノルウェーでは、幼稚園でも学校でも環境教育を受けることが義務づけられています。その主な目的は、子どもや若者が持続可能な開発を広められるよう、環境に関する知識、技術、姿勢を身につけること。省庁間(教育省、子ども家庭省、環境省、研究省)の分野横断的な協力により、子どもや若者の環境教育に関する協定が結ばれています。このように、縦割りではなく横の協力関係が機能していることもあり、学校や保育園のシラバスにも環境教育がしっかりと盛り込まれています。

環境教育によるクリティカルシンキング(批判的思考)へのアプローチ 

環境教育を通じて、自分たちを取り巻く環境に対する意識を高めることができます。例えば学校では、「なぜ、そうなるのか」「どうしてそうなるのか」ということを調べるきっかけに。その結果、複雑な環境問題に対しても、自分自身で判断できるようになります。

クリティカルシンキングを取り入れた学習をすることで、環境教育は環境意識を持ち、自分の頭で考え、行動する新しい世代を育成します。将来、情報に敏感な労働者や消費者であったり、政策立案者に関わる人になるかもしれません。

2020年の「環境パフォーマンス指数(EPI)」で、北欧諸国がトップ10を独占していることからも、北欧諸国における幼少期からの環境教育への取り組みは、見習うべきところがありそうですね。

日本でも気軽に環境教育に触れ合える機会が増えています。例えば、キャンプなど自然体験プログラムを実施している団体や、極力禁止事項を無くすことで、子どもが木に登ったり、火を使ったり、のびのび遊べるプレーパーク(冒険遊び場)があります。ぜひ遊びにいってみてはいかがでしょうか。

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