地域通貨を使ってローカルを楽しもう
サステナビリティ

地域通貨を使ってローカルを楽しもう

ここ数年、世界中で「地域通貨」を使うところが増えているようです。円やドル、ユーロでは通用しない、その地域の人々や経済のニーズを満たすことができるのが地域通貨ではないかと考える自治体やコミュニティが増えているということです。今回は、地域通貨とは何なのか、そしてそれが持続可能な旅行にどのような影響を及ぼしているのかをご紹介します。

地域通貨とは

地域通貨は、地域やコミュニティレベルで流通するお金の形態。法定通貨を補完する役割を果たしています。このようなコミュニティプロジェクトでは、さまざまな地元業者が参加し、住民に地元で買い物をするインセンティブを与えます。その結果、地域通貨は地域社会が地域経済を強化し、地産地消を実現。脱炭素化にも貢献します。また、地域通貨は二酸化炭素排出量を削減し、地域経済の回復力を向上させるだけでなく、地域社会がより団結することにもつながります。

地域通貨は法定通貨ではないため、企業は商品やサービスの対価として地域通貨を受け入れる必要はありません。しかし、多くの地元企業は、地域に貢献することに賛同し、コミュニティ主導の通貨取引ネットワークの一員となることに同意するようです。円やドル、ユーロは国内および国際貿易に常に必要なものですが、地域通貨を普及させ、地域経済を強化するという地域も増えてきているようです。

地域通貨の仕組み

持続可能な経済とは、その地域で消費される商品が、その地域の資源、その地域の労働力、その地域の貨幣を使って、同じ地域で生産されることでもあります。それはどのように機能するのでしょうか。

まず企業や住民は、参加する地元の銀行や発行団体で法定通貨と地域通貨を交換します。 地域通貨は法定通貨の現金に比べて用途が限られているため、割引価格で提供されることが多いようです。例えば、100円の地域通貨を90円で購入することができます。

旅行者と現地の人々にとっての地域通貨のメリット


こうしたコミュニティの地域通貨プロジェクトにはいくつかのメリットがあります。まずは、地域通貨によって旅行者や現地の住民が地元企業で買い物をするということ。

そして、地域通貨は地域の二酸化炭素排出量を削減するということ。なぜかというと地元企業は地元の卸売業者から購入する可能性が高いため、商品の輸送時間が短縮され、カーボンフットプリントが削減されることになるからです。

世界各地の地域通貨 

ぶんじ(日本) 

日本では、東京都の国分寺市で、2012年から「ぶんじ」という地域通貨を使ったコミュニティプロジェクトが行われています。 この地域通貨は、「ぶんぶんウォーク」と呼ばれる、街の魅力を発見するために街を散策するイベントで発行されていた「お楽しみチケット」が起源となっています。

ぶんじは財布にすっぽり入る名刺サイズ。ぶんじ100枚は100円に相当し、市内の約30店舗で利用することができます。約1万枚のぶんじ紙幣が流通しており、約250人がこの地域通貨を使用しています。

ブリストル・ポンド(イギリス) 

ブリストル・ポンドは、運動家と金融活動家のグループによって2012年に導入されました。このコミュニティプロジェクトは、ブリストルでの取引にデジタル通貨と紙幣を使用した、2000人以上の個人と独立企業のネットワークで構成されています。このアイデアは、サプライチェーンを地元に根付かせることで、地元の資金を市内で循環させるというもの。

現在、ブリストル・ペイという名称で新たな段階に突入しているこのプロジェクト。 ユーザーがアプリやカードを使って店頭で支払えるオンラインポータルを通じて、他の口座保有者への直接支払いができるようになるそうです。ブリストル・ポンドはこれからもっと使いやすくなりそうですね。

バイエルン州のキームガウアー(ドイツ)

世界で最も成功した地域通貨のひとつが、ドイツのローゼンハイム・トラウンシュタイン地方のキームガウアー。2003年、16歳の子どもたちにユニークな方法で健全な金融教育を身につけさせたいと考えた経済学の教師が学校のプロジェクトとして始めました。 

教師と生徒たちは銀行券をデザインし、管理し、口座を管理。彼らは実質的に、その地域の企業や商店で使える自分たちの地域通貨を作ったのです。

キームガウアー1枚につき1ユーロの価値があり、1ユーロから50ユーロまでの紙幣があります。現地通貨キームガウアーの有効期限は購入後3ヶ月。そのため、貯蓄されたり購入したことを忘れられてしまうこともなく、確実に使われることになります。旅行者にも使いやすそうですね。

地域通貨を使用することの一番のメリットは、地域内でお金を維持することができるということ。また、地域通貨はその地域のアイデンティティをアピールし、旅行者など地域外の人も惹きつけます。次の旅行では、旅先の地域通貨を試してみてはいかがでしょうか。

環境にやさしい旅についてもっと知りたいですか?
次の旅のインスピレーションに、忙しい毎日のちょっとした息抜きに。
Ecotourism Worldのニュースレター配信登録はこちら