
エコツーリズムを推進する地域で
日本の旅を満喫しよう
日本には魅力的なスポットが沢山あります。次の旅行はどこに行こうか、何をしようか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか?
東京・大阪・京都など、混雑するところに行く代わりに、人が少ない場所で自然や現地コミュニティにやさしい旅をしてみませんか?そこで今回は、大都市に代わるおすすめの観光地をご紹介します。実はエコツーリズムを推進する地域が日本にはたくさんあるのです。
エコツーリズムで盛り上がるデスティネーション
弟子屈町 (てしかがちょう・北海道)
日本を旅行するならおすすめな観光地が弟子屈町。北海道の東に位置する弟子屈町はスケールの大きい自然に囲まれた美しい町です。町内の65%を占める阿寒摩周国立公園、日本最大のカルデラ湖屈斜路湖、現在も活動中の硫黄山、その麓に広がる温泉、日本一透明といわれる摩周湖など、魅力がぎゅっと詰まっています。
地域が一帯になってこの町を盛り上げようとしているところが魅力の弟子屈町。ここに住む人たちとそこを訪れる人たち全員がこの町を誇ることができるように、エコツーリズムに力を入れることを決め、観光関係者、農家、会社員、主婦など町にかかわる沢山の人が集まって「どのように持続可能な観光地域づくりをしていくか」について議論しました。地域資源を責任もって保護しようとするこの町は、例えば硫黄山の噴気口を傷つけることを防ぐために、観光客はガイドと一緒の場合のみ入山が許可されるルールを作成。まさしく、自然資源の保全と活用の両方を達成させるエコツアーの開発を行っているのです。
地元の人のこと、地域資源のこと、そしてこの町に来てくれている人のことを思ってくれている弟子屈町に行けば、温かい気持ちになれそうですね!
幡多地域(高知県)
日本の旅行におすすめしたい観光地の二つ目は、自然遊びの宝庫と呼ばれる高知県幡多地域。日本最後の清流である「四万十川」、ダイビングのメッカ柏島、足摺宇和海国立公園、土佐清水ジオパークなど 海・山・川・里全部を体験できる場所があちこちにあります。
この地域のすごい所は、単にこの豊富な資源を観光客に提供するのではなく、若い人たちの学びのためにうまく使っているということ。この豊富な自然資源を上手に活用しているのが「SDGs体験プログラム」です。SDGs教育が盛んに行われるようになった昨今、生徒たちが学習して得た知識をアウトプットできる場にすべく、豊富な自然資源を利用した環境を整えることに力をいれてきました。この取り組みによって、小学校や中学校から、修学旅行先として選ばれるようになっています。体験プログラムには、「四万十市トンボ自然公園の散策」、「四万十川とトンボから考える自然と人との共生の形」、「砂浜美術館のコンセプトから描く私たちの未来デザイン」、「過去から思いを未来につなぐ宿毛市の果樹栽培」、「柏島で「微小貝」の観察」など盛りだくさん。未来を見据えた取り組みを地域が一体となって行うなんて、素敵ですよね。「ただ観光して終わり」でなく、学びを得るための旅行なら高知県の幡多地域を訪れてみましょう。
下呂市(岐阜県)
日本の国内旅行におすすめの観光地三つ目は、岐阜県に位置する下呂市。ここは、飛騨木曽川国定公園の外に位置する生物多様性に富んだ地域。そして何より、日本三名泉として知られる、1000年以上の歴史を持つ下呂温泉、国民保養温泉地に指定されている飛騨小坂温泉郷も保有する温泉スポットです。
下呂市は自然と温泉、そしてそこから生まれた文化や食べ物、歴史などを通して、日本の魅力を一気に、贅沢に体験することができる場所なのです。
「ディープな日本に浸かるなら下呂」をキャッチコピーにしている下呂市は、地域の人たちが自分たちの街を誇りに思えることを最優先にしているとのこと。そのため、エコツーリズムを普及させるにあたり、地域資源の誇りの再確認を目的にした「宝探し事業」、ツアーの商品開発、市民向けのツアー体験モニター、人材育成を行っています。資源を活かし、エコツーリズムを成功させるためには、地元の人が自分の暮らしている地域のことを誇りに思い、それを発信することが何よりの秘訣。地元住民を完全に巻き込み、最初から最後まで住民が一体となってエコツーリズムの推進に取り組んでいます。
今回は、日本にある地域の中で、地域社会全体で観光を盛り上げようと奮励する地域を紹介しました。文化損失、自然破壊など現代懸念されている課題に向き合い、未来を見据えて活動するこれらの地域は、地域資源そのもの以上の魅力がありますよね。エコツーリズムを推進し、日本の魅力を発信している場所だからこそ、みなさんに是非訪れてほしい、おすすめの観光地です。
ご紹介した地域はどれもエコツーリズム大賞を受賞しています。弟子屈町/第18回(2022年)大賞、幡多地域/第17回(2021年)特別賞、下呂市/第16回(2020年)特別賞を受賞。地域全体でエコツーリズムの取り組みを行う姿勢を見ると、納得ですね。エコツーリズム大賞に関してはこちらをご覧ください。
エコツーリズムを推進しているエネルギー溢れる地域に行けば、充実した時間を送れること間違いなし!今度旅行する際は、現地の人にも自然にもやさしいエコツーリズムを推進している地域に行ってみてはいかがでしょうか。
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