象と観光:アニマルツーリズムの影響とは
野生動物保護

象と観光
アニマルツーリズムの影響とは

象は何世紀にもわたって、人間と共に歴史を歩んできました。家畜化されたゾウは、重い荷物を運ぶため、伐採業のため、娯楽のために使われてきたのです。しかし、近年ではトラックなどの重機が登場し、作業を補助する動物としての象は行き場を失いました。そのため、仕事を失った家畜の象たちは、娯楽で使われるために訓練されたり、レスキューに保護されたり、象の保護施設に入れられたりしています。

象と観光

象に関連した観光客向けの体験というと、自然保護区での野生の象の観察からショーまで、さまざまなものがあります。しかし、動物を利用した観光アトラクションには様々な負の側面も存在します。施設によっては、象の生活環境や訓練環境が人道的でない場合も。象は家族で行動し、広いテリトリーを持つ動物なので、狭い檻の中に閉じ込めることは、象の性質に反します。その一方で、できる限り自然の生息地や行動様式に近い状態を整えようと努力しているところもあります。

そして、象が観光客と接することで、人間と象の双方が事故や怪我をする危険性が高くなります。また、よくあるのが、お金を払って象に乗るというアクティビティ。繁忙期には、1頭が1日に何度も観光客を乗せることもあります。アニマルツーリズムの人気が高まるにつれ、観光アクティビティに利用するために、野生の象が連れ去られるということも起こっています。

このように、象にとってさまざまな悪影響のある可能性を念頭においた上で、体験の可否を判断する必要があります。例えば、パフォーマンスを伴う象のショーや、鎖で動物を拘束するような施設、特に短い鎖を使っているようなところは避けるべきでしょう。

タイでは、エレファントパークを訪れ、その後象に乗って川を渡るという体験が人気です。ここ数年、こういった施設は、小さな自然保護区として、訪問者がより自然な象の姿を見る体験ができる施設にシフトしています。

幸いなことに、昨今世界中で環境にやさしい体験を求める人が増えています。特に動物エンターテインメント産業の弊害に関するニュースや情報に触れることで、多くの人が実態に気づき始めたのです。ただし、「自然保護区」といっても、必ずしもイメージ通りとは限りません。体験する前に、よく調べてみましょう。「保護区」とは、保護された象が住んでいる場所のことでしょうか?野生動物のための国立公園でしょうか?それは、パフォーマンスがメインの小さな施設なのかもしれません。名称に惑わされず、ウェブサイトや口コミなどを事前にしっかり確認して実態を把握しましょう。

どんなところを探せばいい?

まず最初に、ウェブサイトをチェックしてみてください。エコツーリズムのウェブサイトを見て、その地域でどこがおすすめかを見てみましょう。世界動物保護協会のウェブサイトは、地域のおすすめを見つけるのにぴったりです。また、その施設がビジネスとして運営されているのか、それとも非営利団体として運営されているのか、そのオーナーや支援者もチェック!

象の保護区は、立ち入りや野生動物への影響を最小限にするための規則を設定しているところを選びましょう。スリランカのヤーラ国立公園やウダワラウィー国立公園、アフリカの多くの大規模な国立公園などが、良い例です。全体として、象とのふれあいや娯楽ではなく、象の観察に重点を置いた体験を探すのがポイント。良い施設では、象の自然な行動を尊重し、十分な生息スペースを設けています。

象の保護活動を支援することは、動物を利用した観光業による影響を軽減し、ひいては野生動物に対するストレスを軽減することにつながります。いつまでも自然を楽しみたいのであれば、自分のお金を使うところを事前に確認し、責任持って選択することが重要!旅で自然を楽しみながら、よい影響を生み出していきましょう。

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