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カナダのエコツーリズム
910万㎢の国土を誇るカナダ。48の国立公園、約3,800万人の国民、24万3,000km以上の海岸線があり、沿岸部、山脈、平野部、北極圏のツンドラ地帯など様々な地理的条件を持つカナダでは、自然と都会の両方を楽しむことができます。
カナダのバンフ国立公園、ジャスパー国立公園、ウォータートン・レイクスは、旅行者だけでなく、地元の人にも人気がある自然豊かな場所。
自然が豊かなカナダでは、地域の自然を守りながら旅行者を受け入れるエコツーリズムやサステナブルツーリズムが広まっています。
エコツーリズムは、グローバル・エコツーリズム・ネットワーク(GEN)の定義によれば、「旅行者、スタッフ、旅行先の関係者が、自然環境の保全、地域住民の生活の維持について、価値や大切さを理解する旅行」。
今回は、カナダのエコツーリズムをご紹介します。
カナダのエコツーリズムの歴史
無数の島や湖があり世界で最も長い海岸線を持つ国、カナダ。
1911年、世界で初めて国立公園制度「ドミニオンパークス支部」を創設し、1968年には、長期的なミッション掲げ、国立公園を増やすことを推し進めました。現在は「パークス・カナダ」という名称で運営され、国土の3%以上に及ぶ広大な面積の公園を守っています。
1990年代以降、観光産業全体の中で急速に成長しているエコツーリズム。1992年には、カナダ観光産業協会(TIAC)がサステナブルな観光に関する倫理規定を発表しました。そしてバンフ国立公園では、自然、文化、歴史を守るための個別のポリシーが作られました。
1970年代以降は、先住民を排除するための動きが進められてきたカナダ。当時、先住民は全く配慮されていませんでした。現在では、国立公園を新設・維持といった話し合いを始める前に、先住民と対話を行っています。
カナダを訪れる際は、文化的に今までどのような道をたどってきたのか理解してから訪れると良いでしょう。
カナダのサステナブルな旅への取り組み
カナダでは、州ごとに独自の方法でサステナブルかどうかを評価しています。例えば、宿泊施設では、グローバル・サステナブル・ツーリズム評議会(GSTC)に認定された国際的なNGOがサステナブル評価を行い、環境と社会的貢献度を5段階で評価する「グリーンキー・グローバル・レイティング」を取得しています。
自然の中ではなく、都市部でサステナブルな旅行を体験したい人には、ケベック旧市街の中心部にある「Hotel du Vieux-Québec」がおすすめ。地域では唯一のカーボンニュートラルなホテルで、グリーンキー評価では最高点を獲得しています。
もっと自然に囲まれた環境でエコツーリズムを体験したい人は、バンクーバー島のトフィーノにある「 Wickaninnish Inn」がおすすめ。家族経営のホテルで、家具やスキンケア製品は地元で調達し、レストランから出るゴミはほとんどが堆肥化されています。こちらもグリーンキーの評価は最高レベルを獲得しています。
カナダのコンサルティング会社「グリーンステップ・ソリューションズ」は、グリーンツーリズムを展開していて、国内企業を対象とした第三者認証を取得しています。2021年にはTIACと共同で、「サステナブル・ツーリズム2030誓約」の採択を発表をしました。カナダの観光事業者が2030年まで毎年サステナビリティを向上させ、その取り組みをブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの認証で評価するというこのシステムは、国連の「サステナブル・ツーリズム2030」の取り組みに沿ったもので、旅行者は自分の好みに合ったエコツアーを探すことができます。
例えば、「エコー・バレー・ ロッジ」はゴールド認証を受けています。そして、先住民族の観光グループと協力して、文化の保護と尊重に焦点を当てた草の根ツーリズムを推進してる組織「カナディアン・エコツーリズム・サービス」では、先住民の歴史や現代文化を教えてくれます。
また、サステナブルな旅行について情報を提供してくれるオンタリオ州先住民族観光局(ITO)のサイトでは、文化イベントやアートギャラリーなど、先住民の経済や文化に触れる機会を紹介しています。
カナダならではのエコツアー
カナダは大自然を満喫できるエコツアーの宝庫!
今回はその一部をご紹介します。
ホエールウォッチングなど野生動物に会いたい人には「イーグル・ウイングツアー」(プラチナ認証)がおすすめ。
ブリティッシュ・コロンビア州のビクトリアにある家族経営の会社で、自然保護にも力を入れています。低燃費で騒音の少ないエンジンのボートに乗って、海鳥やシャチ、ヒゲクジラ、アザラシ、アシカなどに出会えるかも!カナダのトップ・サステイナブル・ツーリズム・ビジネスにも選ばれた、カーボンニュートラルなホエールウォッチングの会社です。
地元の人と直接関わってみたい人には「メープルリーフ・アドベンチャー」(ゴールド認証)がおすすめ。地域コミュニティと連携した小旅行を行っていて、地元の人が案内してくれるバンクーバー島の村を訪問するツアーや、地元の人が文化史について教えてくれるツアーなど面白そうなツアーが盛りだくさん!
カヤックや小型ボート、ウォーキングツアーがあり、バンクーバー島や、周辺の地域に行くことができます。ツアー中には、ツキノワグマ、ハクトウワシ、シャチ、イルカの野生動物にも遭遇することができるかもしれません。
今回ご紹介したエコツアー以外にも、カナダには、絶景が望める場所や素晴らしい体験ができる場所がたくさんあります。広大な自然に、多様なエコツアー。カナダで自分のイチオシエコツアーを探してみてはいかがでしょうか。
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