
環境に優しいだけじゃない!
旅行者にも現地住民にも
ポジティブな体験、エコツーリズム
旅をして、忘れられない体験をしてみたいと思いませんか?
暮らすように旅をして、その国の日常を体験してみませんか?
そんな旅ができるのが、エコツーリズム。
持続可能な旅、環境に優しく現地文化を尊重する旅などエコツーリズムには色々な名前があります。
エコツーリズムは、エコロジー+観光(ツーリズム)。
様々な組織がエコツーリズムの定義を設けていますが、世界最大のエコツーリズムのNGOであるTIES(インターナショナル・エコツーリズム・ソサイエティー)は、「環境を保護し、地元住民の生活を維持し、旅行者の自然への理解や教育となる自然環境への責任ある旅」とエコツーリズムを定義しています。
環境を保護し、現地コミュニティに利益を還元し、旅行者も学びがあるwin-winな旅行の仕組み、エコツーリズム。
一般的な「観光旅行」とは何か違う体験、独特な体験をすることで旅行者は忘れられない思い出を作ることができるのがエコツーリズムなんです。
思い出に残る体験ができる
現地でエコホテルやエコロッジ、時にはツリーハウスやホームステイといった形で滞在し、間接的・直接的に生物多様性の保全に通じるツアーやエクスカージョンに参加することで、素晴らしい景色だけでなく動物を自然の状態で観察することができます。
さらに、大自然の中で動植物や環境について学んだり、現地住民との異文化交流、現地の素材を使った現地の食事を食べ、現地の衣装を着てみたり、音楽を聞いたり、ダンスやクッキングクラスに参加したり、現地の人の手作り工芸品をお土産に買ったり、ワークショップ等で自分でその工芸品を作ってみたり、といった現地の生活を味わうような体験をすることができるのが特徴です。
環境にも文化にも優しい
植林体験のような直接的に自然の再生に繋がるようなアクティビティもありますが、そうでなくとも間接的に私たちの旅が環境保護に繋がっています。現地の自然が守られている国立公園や自然保護区を訪れることで、その入場料はエリアの自然保護活動や生物多様性の研究等に使用され、再生可能エネルギーの利用、リサイクル、地産地消、オーガニックな現地の製品を使用するエコホテルやエコロッジを選んで滞在することで、環境保全を推進することに繋がります。
そして、現地文化の保全もエコツーリズムの大切な要素の一つ。観光用に作られたような現実と異なる現地文化や慣習ではなく「本物」を見ることができるため、現地の文化や慣習についてより深く知ることができます。
現地コミュニティにとってもメリット
環境に優しくて、旅行者はローカルになったような気分が味わえる体験ができるエコツーリズム、私たち旅行者だけでなく、現地コミュニティーにとってもメリットがあります。
今まで生計を立てるために焼畑農業、密猟などをしていた現地住民が、今まで壊していた自然を守ることで、実は今までよりもっと稼ぐことができるという発想の転換により、世界中で数々の成功事例が出ているエコツーリズム。
現地住民は地元の自然や文化が外から来る旅行者にとっては価値があるものということを認識して、それを保護しながら観光業に従事することで収入を得ることができます。例えば、レストランや食料品店、宿泊施設、ツアーガイド、文化的なショーなどが現地雇用を生み出す上、こういったビジネスは現地住民が新しいスキルを身につけるきっかけにもなります。
さらに、国立公園の入場料や、ショー参加料、宿泊料金などの利益で現地コミュニティが経済的に安定し、インフラ、飲料水、学校、保健所、電気などの生活に関わる設備を改善することができるのです。
地域住民の生活・環境を変えた事例
エコツーリズムが地域住民の生活を変えた事例がよくわかる映像(英語)を3つご紹介します。
コスタリカのオサ半島、Rancho Quemadoでは、20−25年前、経済状況は非常に悪く住民には仕事なく、住民は違法で木材を伐採したり、狩猟をして生計を立てていました。
ところが、そこにあるジャングルで海外のリサーチプロジェクトがあり、森に住む動物たちを観察するうち、地元の人が地元にいる自然や野生生物に興味を持つようになったそうです。そしてそれをきっかけに、海外の人々が地元の自然やそこに住む生物に興味がある、外部の人にとって価値があるということを知ったのです。
住民がWebやSNSで地元のジャングルの様子を配信すると、観光客が来るようになり、地元の住民はその観光客を迎えるための宿やレストラン、観光ガイドなど様々な仕事につくことができました。
2018年、コスタリカ全体の観光収入は40億ドル近くまでになりました。
ボツワナでは2014年、アフリカで唯一トロフィーハンティングを禁止。野生動物を保護し、それを観光客が遠くから眺めるというエコツーリズムを推進し、象などの動物にとって安全なサンクチュアリになりました。
インドネシアでは、サメや亀を違法に取る現地住民が後を断ちませんでした。
外部から来たカップルが美しい島の周囲で自然が破壊されているのを目の当たりにし、政府に島にエコホテルを建て、資金を出して管理するからと言って、その一帯を海洋保護区に指定してもらうよう要請。今では、レンジャーらが一帯をパトロールし、違法漁を取締り、生物多様性を保護しています。
誰でも参加できる
そして、エコツーリズムは決して環境問題の活動家やアクティブなバックパッカーだけのものではありません。誰でも参加・体験できるんです。
友達と、恋人と、家族と、子供とだって参加できます。
さまざまな料金のものがあるので、誰でも参加できる
「エコ」「BIO」と聞くと金額も通常より高いのでは?というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
エコホテル・エコロッジといった宿泊施設はピンキリ。地元の小さいお手頃な宿から、ラグジュアリーな宿までいろいろあります。運営が環境に優しくサステイナブルである、というのが共通点。エコツーリズムに参加するのに、たくさんのお金をかける必要はなく、日帰りだってできるんです。
エコツーリズムに参加しよう
旅行者と現地コミュニティがお互いに学び合い、旅行者にも現地にもポジティブな体験となるエコツーリズム。現地の環境や文化を知り、尊重するきっかけになります。世界中の文化、そこに暮らす人々、歴史や環境について五感を使って知っていきたいですね!
そして将来の子供たち、そのまた子供たちの世代に、私たちが見て体験したものと同じものを残していきましょう。
最終的に地球にどんな影響を与えるかは私たち次第です。
環境に優しい旅をして、忘れられない思い出に残る体験をしよう!
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