
ベトナムのエコツーリズム
南北に豊かな生態系が広がり、 3,000 kmにわたる海岸、美味しい料理、魅力的な文化を持つベトナム。
今回は、そんなベトナムでのエコツーリズムを紹介します。
ベトナムのエコツーリズム
310種以上の哺乳類、296種の爬虫類、162種の両生類、2,000種の海水魚、約889種の鳥類、850種以上の陸生軟体動物(カタツムリなど)が生息しているベトナム。そしてベトナムには、30の国立公園、8つのユネスコ世界遺産があります。
1997年、ザ・サステナブル・ツーリズム・イニシアティブ・プロジェクト(STP)が、ベトナムの生物多様性の保全に対する観光の影響についての認識を高める活動を開始。サステナブルな地域コミュニティベースの観光への意識を啓発し、その発展に貢献する国際的な非政府組織として発展しました。
ベトナムの文化的および生物多様性を維持するのと同時に、貧しく不利な立場の地域に持続可能な収入を生み出している、地域コミュニティをベースとした観光。このプロジェクトは世界自然保護連合(IUCN)から委託されており、 IUCNはベトナムの持続可能な観光の成長のため、効率的なネットワーキングと情報交換の場を作っています。
ベトナムのエコツーリズムへの取り組み
ベトナムでエコツーリズムを展開している一例が、カッティエン国立公園。人間と野生生物のため自然環境保護に尽力している非営利団体、WWFと協力し、サステナブルな方法で種の絶滅を阻止しています。
タ・ライ・コミューンの歩み
カッティエン国立公園の緩衝地帯にあるタ・ライ・コミューンには、ドンナイ省内の少数民族(スティエン族とマ族など)が住んでいます。
このプロジェクトの最初の試練は、エコツーリズムや環境保護について十分に理解していない地域コミュニティと協力することでした。
そのため、まず地域住民が観光産業にもっと積極的に関与できるように、料理、ガイド、観光のおもてなし、経営管理、英語など、さまざまなトレーニングコースを地元の人々に提供しました。
タ・ライ・ロングハウスは地域と緊密に連携した運営を目指しており、効率的に協力できるよう法的基盤を得るため、カッティエン国立公園の管理委員会と地方自治体当局間で契約を締結。これにより、現在70人の地元の人々を雇用しています。コミュニティの人々は、手工芸、料理、ガイド、伝統的なダンスパフォーマンスなどの関連サービスでも活躍しており、収入を得ています。
さらに、観光客1人につき約75,000VND〜150,000VND($ 4〜7 USD)が村の開発基金に寄付される仕組みを構築。この基金は、恵まれない人々に生計を支援するためのローンを提供し、コミュニティ活動と環境保護のための助成金を提供することを目標にしています。
ベトナムには「エコツーリズムで地域コミュニティの参加を促し、収入を生み文化のアイデンティティを維持する」というユニークなエコツーリズムの原則があります。豊かな自然はもちろんのこと、独自の錦織(チャム織り)文化、地元の木材で造る伝統的な船などについても学べるベトナムのエコツーリズム。
ベトナムに旅行する際は、環境に配慮したエコツアーに参加したり、地域コミュニティに貢献できるツアーに参加してみましょう!
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