Let's spend an eco-friendly vacation in the beautiful Maldives!
アジア

美しいモルディブで
環境に優しい休暇を過ごしてみよう!

モルディブ共和国は、26の環礁からなる島々でできた国。生態系が豊かで、透明度の高い海に囲まれています。国土面積は約298km2と非常に小さいですが、喧騒から離れた、静かな自然に囲まれた旅行先として、世界中から注目を集めています。

海抜が低いモルディブでは、国の将来と大事な産業である観光が、自然の持続可能性にかかっているため、モルディブではエコツーリズムを推進しています。エコツーリズムとは「環境を保全し、地域住民の福祉を維持し、訪れる側、スタッフ、訪れる人を受け入れた側など関係者全員の解釈と教育を通じて知識と理解を生み出す、自然地域への責任ある旅行」(グローバル・エコツーリズム・ネットワークより)のことを指します。

モルディブの島々の周辺には、浅瀬、深海、鮮やかなサンゴ礁、湿地、乾燥地帯、数々の鳥たちなど、数えきれないほど豊かで壊れやすい生態系が広がっています。また、1,000種以上の魚類、21種のクジラとイルカの生息地でもあります。夜になると生物発光により青く光る海岸も、多くの人がモルディブへ訪れる理由の一つ。モルディブ旅行では、こうした景色や野生生物の観察を楽しみながら、手つかずの自然を維持するための努力も欠かさないようにしたいですね!

進化するモルディブの観光

モルディブ旅行を検討したことがある人は、年間約65万人の旅行者を魅了する息を飲むほど美しいビーチや水上コテージ、数え切れないほどのマリンアクティビティの写真を目にしているはず。2018年、モルディブでは130のアイランドリゾートが運営されていました。2018年から2021年の間に50近くの新しいアイランドリゾートがオープンまたはオープン準備をしており、この成長率は過去10年間非常に高くなっています。なんと、モルディブのGDPの30%を観光産業が占めているのです!

しかし、モルディブのビーチは昔から観光客に開かれていたわけではありません。モルディブは、2022年に観光50周年を迎えようとしています。モルディブはその昔、旅行者が行ける「リゾートアイランド」と、モルディブ人と彼らを訪れる人しか住めない「ローカルアイランド」に厳しく分けられていました。しかし2009年に政府の規制が変更されてからは、旅行者は私有地に限らず、地元の人々に混じって滞在することができるように。これはモルディブの観光に大きな変化をもたらしました。今ではモルディブ人と交流し、彼らの文化を学び、地元のビジネスを支援するツアーが増えています。

そしてモルディブでは、太陽の下でリラックスするだけでなく、シュノーケリングやスキューバダイビング、パラセーリングなど、様々なマリンアクティビティを楽しむことができます。サメやウミガメ、イルカ、クジラ、2,000種の魚、そして色鮮やかなサンゴ礁など、多様な野生の海洋生物に出会えるかもしれません!

そんなパラダイスのイメージが強いモルディブですが、気候変動や開発の影響で生態系がますます脆弱になっているため、モルディブの観光産業は近年常に危機感のある状況です。かつては手つかずだった海洋生物の棲家は、今はバンガローや水中レストランに様変わり。また、モルディブは海面上昇の影響を最も受ける可能性の高い島国のひとつであり、観光が国にとって重要な産業であるため、気候変動は特に懸念すべき問題となっています。

モルディブのエコツーリズムの現状

モルディブの観光業は経済的に恩恵がありましたが、同時に環境にも影響を与えてきました。国土の80%が海抜1メートル以下にあるモルディブでは、気候変動が生態系に大きな影響を与え、経済全体にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、エコツーリズムはモルディブ政府やリゾートから注目されており、中には完全自給自足にするという目標を掲げ、海洋生物学者を常駐させているリゾートもあります。

このように、モルディブではエコツーリズムを政策においても推進しています。また、自治体やNGOがプラスチックの清掃デーや環境教育ツアーなどを開催。2009年には政府が海のアクティビティへの規制を強化し、生物圏保護区を作りました。

2000年代初頭には、モルディブ政府が「モルディブ大統領グリーンリゾート賞」を創設。毎年、1つのリゾートを表彰することで、環境に配慮したサステナブルな運営をすることを奨励しています。そして、旅行者に対しては、プライベートリゾートで1日につき一律6ドル、地元のゲストハウスでは一日3ドルの「グリー税」の支払いを課しています。つまり、私たち旅行者も、モルティブの自然保護に自動的に貢献する仕組みになっているのです。

しかし、リゾートによってサステナビリティへの取り組みは大きく異なるため、モルディブへの旅行を計画する際には、どのリゾートがしっかり環境に対して取り組みを行っているか事前に調べて滞在先を決めましょう。

ワシントンD.C.に拠点を置くグローバルな非営利団体であるセンター・フォー・レスボンシブル・トラベルは、モルディブに旅行する時は大手のリゾートホテルではなく、地元のゲストハウスに宿泊することを勧めています。そうすることで、社会的にも経済的にも現地コミュニティに貢献しながらリアルな現地文化に触れることができ、二酸化炭素の排出量も少なくて済みます。外国資本のプライベートリゾートに滞在しない分、費用の多くがモルディブ経済に還元されることになるからです。

さらに、モルディブ観光省と国連開発計画は、2021年4月に「リイマジニング・ツーリズム」プロジェクトを締結。このコミュニティベースの観光開発計画では、自然や地域コミュニティへのより大きな利益を確保し、女性や若者の機会を増やすことを目指しています。具体的には、地域観光のマーケティングを強化すること、リゾートがある島々のサステナビリティの基準を確立すること、観光産業に本格的に参加できるように女性や若者のスキル修得、などを計画しています。また、島の観光開発計画をより強固なものにするという包括的な目標も掲げられています。

モルディブで体験できるエコツアー

モルディブでの過ごし方は、海洋生物を観察したり、ビーチでくつろいだりすることが多いのですが、他にも様々なエコツアーが盛りだくさん!リゾートでのマリンツアーも多いですが、モルディブの経済を支えることを重視した地元密着型のツアーもあります。

例えば、シークレットパラダイスというツアー会社。シュノーケリングツアーや*サンドバンクツアー、首都マーレでのグルメやウォーキングツアーなどの文化に重心を置いたツアーなど、様々なツアーを企画しています。半日、終日、複数日とツアー日程も豊富。また、地元コミュニティとの連携はシークレットパラダイスの根幹となっています。ツアーガイドはすべて地元の人。サンゴ礁でのエチケットについてのレクチャーやプラスチックごみの持ち帰りを促すなど、ツアー参加者に自然の中で過ごす際のマナーについてしっかりと説明し、環境への配慮に力を入れています。また、ほとんどのツアーで、地元の芸術品や工芸品、食料品などを地元の店で購入できるようになっています。 

*サンドバンクとは、干潮になると浅瀬に顔を出す砂だけでできた島のこと。

シークレット・パラダイスでは、「セーブ・ザ・ビーチ」という清掃活動やサンゴ礁の再生を行う団体と提携し、環境に配慮したツアーも提供しています。

モルディブにはローカルの島とプライベートリゾートのどちらにも環境に配慮して過ごすことができます。
自然の中で楽しめる冒険にあふれたモルディブで、エコツーリズムに身も心も任せてみませんか?


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