
ラストチャンスかも!
南極への持続可能な旅行
地球上の氷の約90%を占めている南極大陸。とても寒く、雪がたくさん降る場所と想像しがちですが、実は雪はそれほど多く降りません。先住民がいない唯一の大陸であり、住んでいるのは主に科学研究スタッフ。厳しい冬の間、気温が氷点下20度に達することもあり、研究スタッフの数は約1,000人に落ち込みます。
自然破壊や観光過多が原因で南極の氷河が溶け、水位が急激に上昇し、いずれ南極大陸が海に沈んでしまうと言われているため、90年代初頭から「ラストチャンスツーリズム」が注目されるようになり、旅行者が増加している南極大陸。見ることができなくなる前に訪れたいという旅行者が多いようです。
南極大陸は、景観を保護するための厳格な規則があるため、簡単には行くことができません。 世界観光機関(UNWTO)は、サステナブルな観光を、「訪問客、業界、環境および訪問客を受け入れるコミュニティーのニーズに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮するもの」と定義していますが、南極大陸へ旅行する際は、南極環境保護議定書に基づいて行動しなければなりません。
1991年に制定された南極環境保護議定書。南極大陸の環境と生態系を守るもので、観光を含むすべての活動の環境影響評価を行うことが義務付けられており、科学研究以外の鉱物資源に関連する活動(採掘など)は禁止されています。
南極環境保護議定書による厳格な規則により、特定のツアーのみ南極での活動を許可されています。大型船のクルーズで南極を訪れる人が多いようですが大型船だとエンジンや下水から排出される大量の大気汚染や水質汚染を引き起こしてしまいます。また、大型船クルーズの乗客は船を離れることは許可されておらず、バルコニーと船のデッキからのみ、南極の景色を楽しむことになります。
一方、小型船で訪れることのできるツアーもあります。例えば、南極に特化した旅行会社クォーク・エクスペディションズ。小型船の方が環境への影響が少ないため、おすすめです。
南極へのツアーは通常、ウシュアイア(アルゼンチン)、ブエノスアイレス(アルゼンチン)、サンティアゴ(チリ)などの南米の都市から出発する10日~23日の旅になります。
小型船のクルーズは大型船のクルーズよりも費用はかかりますが、環境への影響に配慮しながら、カヤックやキャンプなどのユニークな体験をすることができます。他にも、ナショナルジオグラフィック・エクスペディション、Gアドベンチャー、フッティルーテン・エクスペディションクルーズが小型船ツアーを催行しています。
遠く離れた南極大陸に行くことは簡単ではありませんが、今しかできない思い出に残る旅行になることでしょう。
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