
サンゴが危ない!?
モルディブのサンゴ再生プロジェクト
海の中に広がる美しいサンゴ。そのサンゴが近年、温暖化や人間の活動が原因で、減少の危機に直面しています。沿岸部や沿岸部以外の地域は、食料や現地の人々の仕事が、サンゴのある海洋生態系に大きく依存しています。
サンゴの再生
そんな海の生態系を支えるサンゴを保全すべく行われているのが、長期的にサンゴの健康、豊かさ、生物多様性を向上させるサンゴ再生プロジェクト。世界には、サンゴの再生をはじめとした生物多様性の保全に取り組んでいる組織がたくさんあります。
例えば、海に関連したサステナブルな活動をしている非営利団体「The Oceancy(ザ・オーシャンシー)」。地域の水環境を保全する方法や、サンゴをエコツーリズムの学びの一環として活用しています。このような活動は、サンゴと生物多様性を回復させるだけではなく、世界全体の温暖化対策にもなっていす。
サンゴ再生プロジェクトが必要な地域
サンゴの数は過去30年間で50%以上減少していて、最近の研究では、このまま温暖化が進むと今後30年間でさらに40%減少すると予測されています。サンゴの減少が顕著に現れているのは、開発途上の地域や小さな沿岸地域。人間の活動や廃棄物問題を直に受ける水深の浅い場所で発生しています。
水深の深い場所にも生息しているサンゴ。海水温の上昇や水産業の影響も大きく受けてしまいます。現在、サンゴ再生プロジェクトが多く行われているのが、カリブ海、メキシコ、オーストラリア、アジア。サンゴが生活の一部になっている地域ではとても重要なプロジェクトです。
サンゴ再生のメリット
サンゴの減少につながるサンゴの白化現象が特に直接影響を及ぼが、発展途上の小さな島々。サンゴは、波や嵐、洪水から海岸線を守る緩衝材として機能したり、魚介類の主な栄養源としても重要な役割を担っています。そのため、サンゴが減少すると、魚は必要な栄養を得ることができず、海洋生物も居なくなってしまいます。その結果、地域も脆弱になります。
また、観光や地域経済にとっても重要なサンゴ。 旅行者が海のアクティビティを通じて、サンゴや海の生物多様性を知ることができます。そしてその一部費用が地域の保全に活用されることで、地域が行なっている活動にも貢献することにもつながります。
このようなサンゴ保全活動が行われているのが、モルディブのヴェリドゥ島。
この地域は、サンゴが激減し、海洋の豊かさが損なわれていました。その現状に危機感を感じた地域の人は、サンゴの数を回復させ、生態系と人々の健康を向上させたいと考えました。
そこで、協力を仰いだのが「The OceancyとBaokaloのサンゴ再生プロジェクト」。サンゴ再生のために、新しく植えたサンゴを鉄製のフレームで固定して成長を促す方法を採用し、その結果美しいサンゴ礁を復活させることができました。
また、このプロジェクトでは、専門的な教育や保全活動を通じて、サンゴを守っていくためのスキルを地域全体で身につける取組みも行われました。
こうした専門家の協力を仰いだ取り組みを行うことで、現地の人が地域のサンゴを守ることができ、結果的に海の豊かさや生物多様性、そして地域社会の発展にもつながることになります。
サンゴ再生の重要性
温暖化が悪化するにつれ、海水温の上昇と酸性化がさらに進めば、サンゴだけでなく、その海洋環境に恩恵を受けている地域社会までもが脆弱になります。そこで注目されるのが、The Oceancy が行なっているようなサンゴ再生プロジェクト。現地の人々が自分たちでサンゴを守っていけるように、働きかけてくれます。
ところで、サンゴの再生に興味がある私たち旅行者は、何ができるでしょうか。
まずは、サンゴにやさしい日焼け止めを使いましょう。もっと何か協力したいという人には、サンゴ再生に取り組んでいる団体へ寄付をして応援してみてはいかがでしょうか。
私たちの海、サンゴのある美しい海の風景を守っていきませんか?
ヴェリドゥ島のサンゴ再生プロジェクトに興味がある方は、こちら。
The Oceancyのプロジェクトの詳細や寄付については、こちらをご覧ください。
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