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旅行のパッキングでミニマリストになろう

「ミニマリスト」という言葉は、ここ2年程で世界中で使われるようになりました。日本では断捨離などといった言葉とともに、本当に必要なわけではない物、精神的にも悪影響を与える可能性のある物を可能な限り排除し、「少ない物で多くを行う」ことを選択する人が増えています。

「ミニマリスト」という用語はよく、家具のない部屋や、所有物が合計で100未満の人に使われます。こういった人はミニマリストと呼ばれたりしますが、実はミニマリストといってもいろいろな人がいます。今回は持続可能な旅行を目指して「旅でミニマリストになる」ということについて考えてみたいと思います。旅行で必要なモノと言えば、まずはパッキング。荷物を減らして最低限のモノで旅行自体をもっと楽しみましょう!

パッキングは持続可能と何か関係あるの?と思う人もいるかと思います。荷物を最小限にして小さくすると、旅行者はスーツケースのような大きくて重い荷物を運んだり、保管しておく場所を考えるストレスがなくなるだけでなく、飛行機の貨物室のバッグの重量が軽減されるため、飛行中の燃料使用量を減らすことができます。旅行の最初から最後まで、荷物を軽くして荷物を最小限に保つというマインドを持って行動することで、たとえ意図していなかったとしても、実際に旅行の持続可能性に大きなプラスの影響を与える可能性があります。自分がそんなことしても、と思わないでくださいね。”塵も積もれば山となる”で、世界中で何百万人、何億人という人が行うととても大きな変化になります。

ミニマリストパッキング

旅行というと、まず大きなスーツケースやボストンバッグを持ってきて荷物を詰め始めていませんか?

荷物を小さくする簡単な方法、それはまず小さめのバッグを用意することです。食べ放題のビュッフェで大きなお皿を持って回ると、必要以上に多くの食べ物を取ってしまいますよね。でも小さなお皿を持っていけば、山盛りになったとしても大きなお皿より食べ物がのせられないのです。大きな容器は同じ量入れてもまだスカスカで余裕があるので、もっと入れたくなってしまいます。最初から小さなバッグ・スーツケースを準備すると、なんとかそれに入るように頭で選別・工夫するので、結果的に少ない荷物で旅行することができます。


また、ミニマリストのパッキングでは、1つ1つのアイテムを最大限に活用することが重要になってきます。つまり、一つのアイテムを複数の方法、環境で利用すること成功への鍵。

特定の状況でのみ使用できる衣服は家に置いておいてください。むしろ、複数の状況で着用できるアイテムを選びます。何でも合って、履きまわせるジーンズや着回ししやすい色や素材の洋服は、ミニマリストなパッキングに欠かせません。

パッキングするときは、目的地の文化も考慮しましょう。 例えば、肌の露出を避ける文化の国に行くなら、肩と膝を覆うことのできる服、ストールなど。ショートパンツやタンクトップを持っていっても結局着ないで終わる可能性があります。女性であればニーカーゴショーツ、控えめなデニム、シワの付きにくくスペースを取らない薄手素材の膝下半袖ワンピースがあれば十分そうですね。

旅行の目的も考慮しましょう。ビジネスの場合は、オフィスからディナーまで対応できる服装に焦点を当てて、自由時間のアクティビティ用の服を1つ追加する、といった感じです。レジャー旅行であれば、観光から夕食にそのまま行けるような快適な服があると良いでしょう。

そして気をつけたいのが「念のため」と持参したくなってしまうモノ。ほとんどの場合、「念のため」と思って持っていったアイテムは結局スーツケースに残ったまま使わずに終わることも多いものです。ホテルにないかもしれないと思って持っていくドライヤー、お洒落なレストランに行くかもしれないと思って持っていったキレイめワンピース、それに合わせる靴、寒くなるかもしれないと思って入れたダウンジャケット、念のため服や下着をもう1日分・・・。荷物を多くするのは簡単なことですね。でも少し事前に調べるだけで持っていかなくても済むものがたくさんありますね。一つ例外としては雨が降る可能性の高い地域へ行く場合の折り畳みの小さな旅行用傘。これは持っていっても良いかもしれません。

洗顔用品・シャワー用品は、使用する分だけ詰め替えてパッキングしましょう。再利用可能なトラベルボトルに詰め替えて持っていけば、液体でも手荷物に入れて旅行できます。洋服は圧縮バッグを使用すると、多くのアイテムをより小さなスペースに収めることができ、風呂敷などで小分けにするのも整理しやすい上、重くならずおすすめです。

医薬品などは自分にあったものがよいため必要な分だけ持参した方が良いですが、例え持参していないものが必要になったとしても、現地で調達できるものはたくさんあります。心配であれば、現地で調達できそうか事前に調べてみると良いでしょう。

1週間以上の旅行でパッキングする場合、どのようなものを持っていくのが良いか例を考えてみました。

・必要な薬

・様々なシーンで着用できる1枚のデニムジーンズ

・シャツ2枚:カジュアル1枚、控えめな1枚

・レジャーの場合、快適なレジャーウェア1枚

または

・出張の場合、ビジネス服2セット(出張の期間に応じて)

・旅先で手洗いして再度着回すため、粉末の洗濯石鹸の小さな旅行用パケット

・必要な渡航書類

・トラベルサイズのシャンプー、コンディショナー、デンタルケア製品、洗顔用品

・ショッピングや日帰り旅行用の再利用可能なエコバッグ

子供のためのパッキング

子供は年齢に応じて多くのアイテムが必要なため、子供のための最小限のパッキングはより難しくなります。旅先で、自宅の棚に置いてきたお気に入りのおもちゃを求めて泣き叫ぶ子供を見たくはありませんよね・・・。

子供のためのミニマリストパッキングは、少し頭を使いましょう。

子供のためのパッキングで検討する必要があるアイテムはこちら(年齢によって異なります)。

・衛生用品と必需品

・旅先で手洗い洗濯できる場合は、数着の着替えのみ

・大のお気に入りの小さなおもちゃやアイテム

・再密閉可能なバッグに入れたお菓子

・ポータブルゲームや充電器、塗り絵やクレヨンなどのアクティビティ


旅行中もミニマリストの精神で

ミニマリストは荷物のパッキングだけで終わりません。旅先でも本当に必要でないものは省いてミニマリストを実践しましょう。宿泊先でも持続可能なミニマリストになる行動をとることができます。

例えば、ホテルの部屋で、自分のタオルを洗いたいかどうか、置く場所によって意思表示できるところがあります。または、ゲストがベッドリネンを毎日交換しないように選択できるところも多くなっています。こういったアクションも「塵も積もれば山となる」、ゲストの洗濯物を毎日洗わないことで、水という資源を節約することに繋がります。

お土産のショッピングでも

ミニマリスト旅行は、旅の最初から最後まで実践できます。旅の最後の思い出に現地のお土産を買う人も多いですよね。その際、地元で作られた手工芸品や、心に残る特別なものをお土産として購入するでしょう。思い出の品は、旅行から帰った後も年月を経て特別な思い出を蘇らせてくれるあなただけの貴重な一品になることもあります。そんなお土産選びですが、本当にそれが自分に取って長い間思い出として取っておく価値のあるものか、デイリーユーズのものであれば、品質はしっかりしていて長期間使用できるものかを確認して購入しましょう。その場のノリで大量買いして、あとでゴミになることほど無駄なものはありません。人にあげるお土産も同様です。お土産はただあげれば良いというものではなく、もらった相手が使ってくれそうか、考えて選ぶようにしましょう。些細なことのように聞こえるかもしれませんが、無駄になりそうなもの、すぐに捨てることになってしまいそうなものは買わないというのも、持続可能なアクションの一つです。

是非、その旅の思い出として長期間楽しめるもの、使えるものを選んでみてくださいね。

「本当に必要なモノ」だけ持っていくことで荷物を気にせずに、旅行を楽しむ時間を増やすことができます。旅行中もミニマリストのマインドを持って行動し、日常の生活にも活かしてみてください。今まで何となく買っていた「本当は必要ないもの」を買う必要もなくなり、節約にもなりそうですね!

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