
バリ島が取り組む観光開発対策と
環境問題への取り組み
インドネシアで最も有名な観光地、バリ島。何十年もの間、たくさんの人が来ることによって環境問題も深刻になっていきました。環境への取り組みに力を入れ、キレイな場所になれば、現地住民も良い環境で過ごすことができ、これからも長い間観光業を営むことができます。バリ島政府は、関係者と協力しながら様々なグリーンプロジェクトを立ち上げ、ビーチや山、川などの観光地に近い地域で、空気や水に有毒ガスを排出する交通機関やホテル、レストランが引き起こす汚染を減らしていかなければなりません。
インドネシアのバリ島における観光のあり方と主な問題点
バリ島の観光産業と自然環境は、交通量の増加や大量の廃棄物の発生、汚染によって脅かされています。こういった問題に対処するため、現地の環境保護団体が水源を保護するグリーンプロジェクトを実施しています。そして彼らは、自然環境を保護することを目的に、市民に利益をもたらすコミュニティ・プロジェクトに取り組んでいます。
さらに、観光開発に影響を与える地域コミュニティの強化など、観光の有害な影響を軽減するための取り組みも行われています。
バリ島の環境問題に対する取り組み
バリ島は世界的に有名な観光地ですが、インドネシアの中でも特に汚染された場所の一つでもあります。この問題を軽減するために、多くのコミュニティ・プロジェクトやグリーンプロジェクトが実施され、環境に対する取り組みが行われています。
バイバイ・プラスチック
バイバイ・プラスチックは、より持続可能な未来にするために、グリーン・プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトでは、環境保護を呼びかけ、地元の人々がプラスチック製品の使用をやめるよう促しています。
バイバイ・プラスチックは若者主導の非政府組織。使い捨てのプラスチック袋の使用をなくすために活動しています。プラスチックが環境、動物、健康に与える悪影響について理解を深め、解決に貢献するための情報を住民に提供しているバイバイ・プラスチック。レジ袋のない世界の実現を目指し、次世代が環境問題への取り組みに参加できるようにすることを目的としています。バイバイ・プラスチックは、インドネシアだけでなく世界中に活動を広げており、世界中の人々がすぐに行動を起こすよう促しています。
スンガイウォッチ
スンガイウォッチは、インドネシアの河川の保護と浄化に取り組む52人のチームによるコミュニティ・プロジェクト。プラスチック廃棄物が海に流れ込むのを防ぐためのシンプルな技術的解決策を生み出し、インドネシアのすべての河川をきれいにすることを目標としています。彼らは、陸上のコミュニティを活性化することによって、ゴミが川に流れ込むのを物理的に防ぐ「ゴミバリア」がプラスチック廃棄物をなくす、最もシンプルで経済的な戦略であると考えています。
また、地域レベルで適切な廃棄物管理を実施するために、不法投棄された廃棄物や川岸での緊急清掃を行い、プラスチックが川に流れ込むのを食い止める活動も行うスンガイウォッチ。どんなに大きな川でも小さな川でも、無機物が海に流れ込まないように何らかのバリアが必要だと考えています。
このバリアは、地域のプロジェクト事例や行政を巻き込んで、川をきれいにし、ゴミの処理方法を改善するための情報を集めるのに理想的な方法だといっています。
プラスチック・エクスチェンジ
バリ島の経済収入の半分以上を占める観光業には、何十万人ものバリ島人が従事しています。しかしバリ島は、インドネシアで発生したコロナの中心地となってしまい、この地域の観光産業はほぼ完全に停止してしまいました。
「その間、多くの人が元の村に戻っていきましたが、村に戻る人が増えるにつれ、ゴミが蓄積されていきました。失業者が多く、みんなお腹を空かせていたのです。」
ウブドの街でヴィーガンレストランを営むヤヌール・ヤサは、このパンデミックな状況を解決すると同時に、プラスチック汚染という根強い問題にも取り組むことを思いつきました。彼は、地元の村人たちがプラスチックと米を交換するグリーンプロジェクトを立ち上げ、環境を保護し、地域社会に力を与える物々交換システムを作り上げることに成功。住民は集めたプラスチックのゴミを主要な食品と交換することができるようになりました。
2020年5月に故郷のハムレットで第1回目の交換会を開催しました。そこで成功したため、バリ島の他の村でもすぐに彼のプラスチック・エクスチェンジのアイデアが採用されました。プラスチック・エクスチェンジは、地域が主体となって行っているプロジェクトです。
インドネシアのバリ島は、東南アジアでも有数の観光地。しかし、これだけの人気があれば、この島を地上の楽園として自然環境を保全する責任も伴います。この20年間、観光開発と水の保全を行い、密猟や森林破壊から動物や植物を保護するための環境対策が実施されてきましたが、彼らの戦いはまだ終わっていません。
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