
アフリカで最も辛い唐辛子・レアな唐辛子
有名な観光地から離れた村を訪れる際のハイライトは、現地ならではの地元料理を味わうことですよね。そういった村では、地元の人のように食べることだけでなく、地元の人のように、他では味わえないスパイスや食材を使って調理する方法を学ぶこともできるかもしれません。アフリカやアジアのデスティネーションでは、地域固有の特産品の1つが唐辛子ということもよくあります。唐辛子は、特にグルメな旅行者にとって惹きつけられる魅力があります。
今回は、アフリカで最も辛いと言われる5つの唐辛子を紹介したいと思います。有名な品種もあれば、あまり知られていない品種もあります。まず1つ目はタンザニアのモシ地方で特に見られる珍しい唐辛子、モシチリです。
珍しいモシチリ
唐辛子愛好家も食べてみたいと思う、非常に珍しい貴重な品種のモシチリ。非常に珍しいなため、オンライン上でも数枚程度しか写真が出回っておらず、辛さレベルもまだテストされていないようです。この多くの人にとって未知の唐辛子、モシチリはタンザニア産で、キリマンジャロ山のふもとの赤い火山灰土でのみ成長します。タンザニア料理には、肉や野菜と一緒に、キャッサバ粉、コーンミール、キビ、モロコシなど地域特有の食材がよく使われます。「モシチリ」という名前は、キリマンジャロ山のふもとにあり、生息地である「モシという村」にちなんで名付けられました。キリマンジャロのふもとの村に滞在する機会があれば、この珍しい地元の唐辛子が使われた料理を食べられるかもしれません。モシチリは普通の唐辛子の一種に過ぎないと考えられているため、もしモシチリをピンポイントで探している場合は、「モシチリ」という具体名を使って聞いてみる良いでしょう。色は赤く、それほど長くない形状で、上向きに空に向かって成長するのが特徴です。
スコヴィルシステム
唐辛子にはスコヴィルという評価システムがあります。 1912年にこのシステムを作った人物であるWilbur Scovilleにちなんで名付けられたスコヴィル評価システムは、各唐辛子/ホットソースの「辛さ」の単位であり、唐辛子に含まれるカプサイシンのレベルを計る方法として、その一貫した数値評価システムにより、広く使用されています。1〜10といった評価や、マイルド/辛い/非常に辛いという尺度を使用するシステムは、「非常に辛い」という評価がある人にとっては高すぎ、別の人にとっては低すぎる可能性があるため、客観的にあまり信頼できません。
スコヴィルの評価システムは、辛さを取り除くために必要な「希釈」量のみに基づいているため、結果が一貫しており、それゆえに広く一般的に使用されている尺度になっています(簡易版スケールはこちら)。それぞれの唐辛子はスコヴィルシステムによって評価されたレーティングがあり、インターネット上で調べることができます(先程ご紹介したモシチリにはまだこのシステムが適用されていません)。比較例として、辛いと有名なハバネロのスコヴィルレーティングは350,000スコヴィルヒートユニット(SHU)になります。
では、アフリカの唐辛子の中でよく知られている4つの唐辛子を見てみましょう。唐辛子愛好家が多様な味を求めており、ブットジョロキアやアフリカのハバネロとして知られているガンビアチリなどの唐辛子は世界中で人気が高まっています。
ブットジョロキア(Bhut Jolokia)
アフリカで最も辛い唐辛子で、スコヴィルランキングの上位にランクインしたのは、ブットジョロキア(ナガゴーストペッパー)です。スコヴィルの評価が800,000-1,041,000であるこの唐辛子は、きっと辛いもの好きを満足させることでしょう。ナガペッパーはもともとインドで栽培されていますが、アフリカ大陸でも栽培されるようになりました。アフリカのブットジョロキアは、通常、赤またはチョコレート色の品種です。
ピリピリ(Piri Piri)
ピリピリペッパーは、しばしばアフリカンバーズアイまたはアフリカンレッドデビルチリと呼ばれ、スコヴィルの評価は100,000〜350,000。マリネ用スパイスとしてよく使用されるこの広く入手可能な唐辛子は、ケニアで栽培されています。
イエローアフリカンファタリ(Yellow African Fatalii)
イエローアフリカファタリチリペッパーのスコヴィル評価は125,000〜325,000です。このナス科の唐辛子の一種は、中央アフリカと南アフリカで広く栽培されています。 ファタリのコショウは柑橘系のほのかな香りがあり、スパイシーでありながら果物のような味がします。
ガンビアチリ(The Gambia chili)
ガンビア、またはアフリカンハバネロ(シネンセの一種)のスコヴィル評価は200,000〜300,000です。クリーミーな黄色として熟し始め、熟すと鮮やかな赤に変わります。この唐辛子を食べると、後まで熱い辛さが残ると言われています。

ガストロノミーツーリズムと持続可能性
これらのアフリカの唐辛子は、世界の市場にあまり出回っておらず、成長している地域の外で調達するのが難しいものもあります。その場合は、生産地に旅行して、地元の料理を試してみる必要があります。これは、ガストロノミーツーリズム(美食観光)と呼ばれるスタイルの旅行の1つ。
ガストロノミーツーリズム、またはフードツーリズムは、その地域特有の料理、食の体験を主な目的として旅をすることです。持続可能な美食観光は、地球の天然資源の使いすぎをしないように積極的に取り組みながら、そのエリアならではの料理を楽しむ旅です。
グルメな旅人が「持続可能な方法で」食を楽しむ、というとややこしいのでは?と思う人もいるかもしませんが、難しいことではありません。持続可能な美食観光は、その食事をする場所、地元で栽培された農産物を使った食に焦点を当てたもの。人気なのが、旅行者が素材の採取、準備、調理に積極的に参加するタイプのアクティビティです。〇〇狩り、現地料理体験、などですね。美味しい現地料理を食べられるだけでなく、その土地で育つ食の素材に関することについて学ぶことができる上、現地でどのように食されているかといった文化も学ぶことができます。
食べることが好き、グルメな旅が好きという人は、是非地元のコミュニティや現地旅行会社によって提供されているエコツアーに参加し、地元の人々との料理体験をしてみてください。地元の食文化とその中に存在する豊かな歴史について、旅行者に喜んで教えてくれるフレンドリーな現地の人々と、忘れられない思い出ができることでしょう。
火を使わずにできる、美味しいチリソースの作り方
アフリカで最も辛い5つの唐辛子を試してみたい唐辛子愛好家にとっておきの、火を使わずにできる、チリソースのレシピをご紹介します。
・唐辛子 4-10個(ガンビアハバネロまたはピリピリ)
※ガンビアなら4個、ピリピリなら10個
・赤玉ねぎ2個、皮をむき、¼に切る
・パプリカ2つ、種を取り除き、¼に切る
・ニンニク 4片
・コリアンダー 1 dl
・みじん切りトマト 2個
・オリーブオイル 1 dl
持続的な辛みが好きな人は、レモン汁を小さじ1杯追加しましょう。
すべての材料をフードカッターに入れ、滑らかになるまで処理します。できたものは冷蔵庫で1〜2週間保管することができます。もっと長い期間少しずつ使いたい場合は、小分けにして冷凍庫に入れてください。使用前に、小皿に入れてテーブルに30分〜1時間置いておくと食べることに溶けてちょうどよくなります。
ソースとしてチキン、ライスにおすすめ。ふりかけて使うことも可能です。
アフリカの唐辛子、一度味わってみませんか?
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