
サステナブルな旅を計画するための
予約サイト6選【前編】
持続可能性は急速に新しい標準になりつつありますが、自分で持続可能な旅を企画したり、ホテルやツアー会社のウェブサイトを見てその会社が本当に持続可能であるかどうかを知ることは案外難しいもの。そこで活用できるサステナブルに特化した予約サイトがあるのをご存知ですか?
旅を通じてポジティブなインパクトを残したいと考える旅行者は着実に増えています。大手旅行予約プラットフォームのBooking.comが2019年に行った調査によると、旅行者のほぼ4分の3(72%)が、将来の世代のために地球を救うためには、人々が今すぐ行動し、持続可能な旅行を選択する必要があると感じているとのこと。2018年に発行された国連気候変動政府間パネル(IPCC)は、世界は10年強で地球温暖化を産業革命以前のレベルを1.5°Cに制限する必要があり、それを超えると洪水、干ばつ、極度に気温が上がるリスクがあると主張しています。旅行者の環境への意識の高まりは、こういった地球環境の状況を踏まえての意識変化と言えるでしょう。
環境に優しい旅、サステナブルな旅に興味があるから、環境に配慮したエコロッジやエコホテルに泊まってみたい、環境に配慮したツアー会社のエコツアー・アクティビティを選びたいと思ったことはありますか?
そんな時、どこで環境に優しいホテルやツアー会社を探せば良いでしょうか。
そういわれると、環境に配慮したホテルや現地ツアー会社をどうやって探したらいいかよくわからない!という人は多いと思います。Ecotourism Worldでは、そんな人におすすめの、世界のサステナブル旅行に特化した予約サイトを6つご紹介します。今回の記事では前編としてまず3つご紹介します。
基本的にどこも仕組みは有名なBooking.comのような形態。
特に行きたい国が決まっていなくても、このホテルに泊まってみたい!という理由から行き先を決める旅も良いのではないでしょうか。
Positive Travel

Positive Travelは2018年、旅行をより倫理的で、持続可能なものにすることを目指して設立されたスイス発の非営利の社会的企業。
旅行の専門家や企業と協力して、環境や社会にプラスの影響を与えるベストプラクティスを強化することで、目的地を保護し、旅行者の意識を高める活動をしています。利益はGlobal Forest Fundや気候変動、森林保護、コミュニティプロジェクトに使われます。
Positive Travelでは各ホテルや旅行会社を下記の独自のレーティングで評価しています。
人々(社会)
1.公正な賃金とまともな労働条件
2. 仕事、教育、機会均等
3. 人権
4. コミュニティ、遺産、文化
地球(環境)
5. 野生生物、生物多様性、自然の生息地
6. 天然資源:水とエネルギー
7. 気候
8. 廃棄物
ポテンシャル(経済)
9. 投資
10. レジリエンス
11.倫理
12.ローカルソーシング
予約できるのは世界中のホテルやツアー会社ですが、まだまだ数は少ないため、他の予約サイトと併せて、気になるところがあるか見てみましょう。
Holiable

Holiableは、2018年フランスで立ち上げられたスタートアップ。
Holiableは、持続可能性への取り組みに重点を置いたホテル、レストラン、アクティビティを探して予約することができます。テーマカラーのエメラルドグリーンとデザインがお洒落で素敵なサイト。ヨーロッパ中心のリスティングでまだまだリストの数は少ないですが、それぞれの施設がサステイナブルかどうかを下記の具体的な独自チェックポイントで評価しています。とてもわかりやすいですね。
輸送
自転車レンタル
e-スクーターレンタル
無料自転車レンタル
電気自動車の充電ステーションがあるか
食べもの
無農薬・有機栽培・パーマカルチャーの菜園があるか
提供する料理や飲み物が有機農産物で作られているか
ビーガン向けオプションがあるか
地域の農家から直接仕入れているか
ベジタリアン向けオプションがあるか
倫理的な製品
環境に優しい素材で作られた建物か
フェアトレード商品を提供しているか
ベッドリネンやタオルは有機材料で作られているか
部屋の掃除やリネンの洗浄は非化学薬品を使用しているか
バスルームのアメニティはリサイクル可能か。大部分が天然成分、問題のある成分が含まれていないか。
コミュニティ
従業員の90%は周辺地域から来ているか
慈善事業や環境保全への売上/利益の一部の寄付して地域に貢献しているか
資源とエネルギー
再生可能資源をエネルギーに使っているか
雨水を再利用しているか
タオルとベッドリネンは顧客の要望がない限り毎日交換していない
企業として二酸化炭素排出量の相殺に当たる活動をしているか
ライトはエネルギー消費量の少ないものを使用しているか
水の消費量を減らす努力をしているか
スイミングプールには化学物質が含まれていないか
廃棄物管理
使い捨て製品を使用しないなど、廃棄物を減らす措置がとられているか
リサイクル用の分別をしているか
食品廃棄物を減らす具体的な取り組みをしているか
有機性廃棄物を堆肥化しているか
ペットボトルを使用していないか
Coral Road

インドと東南アジアの宿泊施設と体験アクティビティならCoral Road。2017年にストックホルムで立ち上がり、現在100を超える宿泊施設が掲載されています。Coral Roadは持続可能な旅行のデスティネーションと持続可能性を重視する旅行者を繋ぐプラットフォーム。
このサイトでは、サステイナブルかどうかの判断基準として、宿泊施設やツアー会社が持続可能性に関する何らかのサステイナブル認証もしくは受賞歴を有しているかどうかをチェックしています。エネルギー効率の高い設備や照明、リサイクルの実践、水の使用量、太陽光発電などのエコや持続可能性への取り組みなどをしているかという点を見ています。
また、旅行者が再生可能エネルギーやグレイウォーターのリサイクルなどのエコイニシアチブや、ネイチャーウォークやヨガなどのアクティビティによって宿泊施設をフィルタリングできる独自の機能があります。さらに、ユーザーが予約すると、Coral Roadはその予約の10%をKivaというアメリカのマイクロファイナンス支援をする非営利団体に提供する仕組みになっています。
2020年6月現在、Coral Roadで扱っている地域は下記の通り。
ホテル:カンボジア、ラオス、ネパール、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム
ツアー:フィリピン、ウガンダ、インド、タイ、ホンジュラス、カンボジア
いかがでしたでしょうか。
本記事では前編ということで6つのうち3つの予約サイトをご紹介しました。
素敵なところが沢山あって迷ってしまいますよね!
これらのサイトの良いところは、どれもサステナブルなエコホテル、エコツアー会社をしっかり見極めて、それだけに特化して掲載しているところ。
一つ一つのサイトのリスティングはまだ少ないので、複数のサイトを併せて使ってみることをおすすめします。
利益だけを追求する企業ではなく、持続可能性に焦点を当てたソーシャルエントレプレナー(社会起業家)によるこれらのサイト。信念に共感した人は、彼らを応援する気持ちで使ってみるのも良いと思います。
これからの旅は、『サステナブルな旅』をコンセプトにして企画してみてはいかがですか?
サステナブルな旅を計画するための予約サイト6選【後編】はこちら。
環境に優しい旅についてもっと知りたいですか?
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