
サステナブルな旅を計画するための
予約サイト6選【後編】
持続可能性は急速に新しい標準になりつつありますが、自分で持続可能な旅を企画したり、ホテルやツアー会社のウェブサイトを見てその会社が本当に持続可能であるかどうかを知ることは案外難しいもの。そこで活用できるサステナブルに特化した予約サイトがあるのをご存知ですか?
環境に優しい旅、サステナブルな旅に興味があるから、環境に配慮したエコロッジやエコホテルに泊まってみたい、環境に配慮したツアー会社のエコツアー・アクティビティを選びたいと思ったことはありますか?
前回のサステナブルな旅を計画するための予約サイト6選【前編】に引き続き、環境に配慮したホテルや現地ツアー会社をどうやって探したらいいかよくわからない!という人におすすめの、世界のサステナブル旅行に特化した予約サイトを6つご紹介します。今回の記事では後編として残りの3つをご紹介します。
I Like Local

I Like Localはオランダで2013年に創設された現地アクティビティに特化した予約サイトのソーシャルベンチャー。旅行者にユニークな現地アクティビティ体験を提供し、アジアとアフリカの地元住民に直接収入を提供することを目的としています。
また、彼らは組織や企業が利益の最大化するビジネスから、利益の創出と社会的・環境的価値の創造の適切なバランスをとるようなビジネスに変わっていく必要があるという強い信念を持っている企業です。
The 観光客のような気分を避け、本物の地元の旅行体験を求めている旅行者はますます増えていますが、どうやったらそういった体験ができるのか、わからない人が沢山います。一方、従来の観光ツアーでは、地元の人々は自国の観光からほとんど利益を得られていません。国連環境計画によると、先進国からの観光客が休日に過ごす100ドルごとに、実際に目的地に滞在するのは約5ドルに過ぎません。
こういった背景を受けて、旅行者が本物の地元の旅行体験を簡単かつ迅速に探せて予約でき、且つ地元の人々に収入源を提供し、文化的理解と交流を促進する I Like Localが立ち上がりました。
I Like Localは現地ローカルホストの収入がしっかりと確保されることを第一に考えて、下記のような仕組みで料金を設定しています。
- 現地ローカルホストは料金を自由に設定(必要に応じてI Like Localがアドバイスを提供)。
- 現地のローカルホストは、彼らが設定した料金の100%を受け取っており、I Like Local手数料などは支払っていない。
- I Like Localはローカルホストの料金に運営費20%を追加し、旅行者に提供。
2020年6月現在、I Like Localで扱っている地域とカテゴリーは下記の通り。
【地域】
アジア:ブータン、カンボジア、中国、インド、インドネシア、キルギス、ラオス、マレーシア、ネパール、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム
アフリカ:ガンビア、ケニア、モロッコ、ルワンダ、タンザニア、ウガンダ
【カテゴリー】
・ホームステイ
・ファームステイ
・アート&カルチャー
・トレックとツアー
・食事体験
・ボランティア
・ロッジ&キャンプ
I Like Localは、2019年のBooking.comブースタープログラムから助成金を受けた持続可能な観光スタートアップ10社の1つ。さらにフォーブス、BBC、トラベル+レジャー、ナショナルジオグラフィックトラベラー、コスモポリタン、その他70以上のメディアで取り上げられた注目の予約サイトです。
Bookdifferent.com

旅行は素晴らしいこと。でも、観光が環境に与える影響があるのも事実。そのため、人々がより良い旅行の方法を選択できるようにしたいという思いからオランダで2012年に設立されたBookdifferent.com。
より多くの旅行者が持続可能な旅行を意識するようになり、持続可能であることをどのように測定するか関心を持ち始めている中で、bookdifferent.comは持続可能な旅行からエコという名前がついているのに実態はエコではない「グリーンウォッシング」を取り除き、データや事実に基づいて、ユーザーにとって可能な限りシンプルで理解しやすく、真にグリーンな選択をすることができるように作られています。
Bookdifferent.comでは、持続可能性のパフォーマンスについてデスティネーションの評価に成功しているGreen Destinationsなどのエコラベルに認められているかという観点で持続可能な宿泊施設かどうか確認しています。それらのエコラベルは、公に利用可能な基準であり、第三者監査とオンサイト評価があるものに限っています。
そして、エコ認定された各ホテルには、持続可能性の下記4つの柱であるパフォーマンスに基づいて、ステイグリーンチェックのスコアが付けられています。
- 管理
効果的な持続可能な管理と法律の遵守
- フェア&ローカル
従業員と目的地に対する公正かつ平等な待遇
- 文化に優しい
地元の伝統を尊重する
- 自然と環境
母なる大地の世話をする
さらにBookdifferent.comのサイトでは、オーガニックレストラン、廃棄物ゼロのレストランから、地域に利益を還元するツアーやアクティビティまで、デスティネーションでの持続可能な旅行情報も提供しています。
Zerobnb

2018年の国際気候変動デーに、再生可能ディーゼルの世界有数の生産者フィンランドのNESTEによって創設された Zerobnb。
このサイトは、世界最大の宿泊施設共有サイトであるAirbnbに、持続可能な宿泊施設のカテゴリーがない!ということで作られたユニークなサイト。Airbnbが独自の持続可能なカテゴリを作成するまで、という期間限定で公開されています。
Zerobnbプロジェクトは、NesteのJourney to Zero(ゼロへの旅)イニシアチブの一部で、持続可能なソリューションを見つけることに焦点を当てています。
サイトは簡潔なものですが、Airbnbに「なんで持続可能という軸で検索できないんだ!」と訴えるショートビデオと共に、Airbnbに登録されている宿泊施設の中から持続可能な宿だけをチョイスして掲載しています。
本家のAirbnbがこのサイトの存在を認識しているかわかりませんが、確かにサステナブルな旅が求められているこの時代、環境に優しい宿を推進するためにも、環境に優しい持続可能な宿泊施設のカテゴリーを作って欲しいものですね。
いかがでしたでしょうか。
本記事では後編ということで6つのうち3つの予約サイトをご紹介しました。
まだ前編をご覧になっていない場合は、サステナブルな旅を計画するための予約サイト6選【前編】もご覧ください。
これらのサイトの良いところは、どれもサステナブルなエコホテル、エコツアー会社をしっかり見極めて、それだけに特化して掲載しているところ。
一つ一つのサイトのリスティングはまだ少ないので、複数のサイトを併せて使ってみることをおすすめします。
これからの旅は、『サステナブルな旅』をコンセプトにして企画してみてはいかがですか?
環境に優しい旅についてもっと知りたいですか?
次の旅のインスピレーションに、忙しい毎日のちょっとした息抜きに。
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